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ラッシュフォードがマンUで覚醒中。
ミスを恐れず愛される地元っ子。
 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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photograph byUniphoto press

posted2019/02/12 11:30

ラッシュフォードがマンUで覚醒中。ミスを恐れず愛される地元っ子。<Number Web> photograph by Uniphoto press

スールシャール体制で勢いを取り戻しつつあるユナイテッド。ラッシュフォードもその1人だ。

ミスを気にせずゴールを奪え。

 ファーサイドにいたラッシュフォードの頭上に、ルーク・ショーのクロスが届いたのは僅か4分ほど前。ゴールまでの距離は3メートル足らずで、ほぼノーマークの状態だった。にもかかわらず、ヘディングシュートはバーの上を越えた。これが前体制下であれば、直後に訪れたチャンスでは萎縮してしまっていたかもしれない。

 もっと言えば、監督がモウリーニョだったら、そもそもレスター戦でのスタメンに彼の名前はなかったかもしれない。5日前の第24節バーンリー戦(2-2)でも、2トップの相棒ロメル・ルカクからリターンを受けてのシュートを豪快に外していた。

 しかし、そんなミスを気にする様子もなく、ラッシュフォードは自信溢れるコントロールとフィニッシュで勝点をもたらすゴールを決めてみせた。

 レスター戦、ヘディングが枠外に飛んだ場面を、スールシャールはベンチに座ったまま顔色1つ変えずに眺めていた。FWに対する指導論について「失敗は誰にでもある。要は次のチャンスをものにできるかどうかの問題。よく『ゴール自体は絶対に動かないのだから落ち着け』と言って聞かせる」と語っていた通りの振る舞いだった。

 スールシャール就任を機に、攻撃的な姿勢を取り戻したマンUは、第25節を終えて4位チェルシーに2ポイント差の5位に浮上。一時は絶望的と思われたトップ4争いに参戦できる位置まで歩みを進めてきた。

 そのチームの前線では、ラッシュフォードが相手ゴールへと向かう頻度を増している。生え抜きのストライカーが、マンUのセンターフォワードという、ファンも望む然るべき将来像に向かって動き出した。

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オレ・グンナー・スールシャール
マンチェスター・ユナイテッド
マーカス・ラッシュフォード

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