【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER
天皇杯3連覇の巨大な意義と、
千葉ジェッツが目指すカルチャー。
posted2019/01/28 07:00
text by
島田慎二Shinji Shimada
photograph by
Kiichi Matsumoto
1月13日に行われた天皇杯決勝では栃木ブレックスに勝利し、3連覇を成し遂げることができました。昨年度の天皇杯で優勝し、Bリーグファイナルでは準優勝、さらに現段階(1月22日現在)で東地区勝率1位である以上は、客観的に見れば天皇杯で優勝する力を持ち合わせていたと思います。
ただ、準々決勝から、今季開幕戦で連敗した川崎ブレイブサンダース、1勝1敗ですが昨季のファイナルで惨敗したアルバルク東京、今季のアーリーカップ、レギュラーシーズンのアウェー戦で敗北を喫していて分が悪い栃木ブレックスと対戦し、倒せた意味は大きいものだと思います。
1年目は勢いでタイトルを取り、2年目は富樫(勇樹)がいないことでチームが“やるしかない”とある意味、結束し連覇を達成。そして3年目の今回はしっかりとチーム力を上げてきたなかでチーム、スタッフ、ブースターが一丸となってのタイトル獲得ということで非常に価値があると思っています。
今回は賞金をすべて選手に還元。
3連覇を達成した今回の優勝が、チームにもたらす影響は非常に大きなものです。チームにとってはもちろん、ビジネス的に見てもその影響は小さくはありません。
過去の大会では、選手に納得してもらった上で優勝賞金から大会の必要経費等を差し引いたものをチームへ渡していました。しかし、今回は優勝して獲得した賞金はすべて選手たちに還元しようと当初から考えていました。それほど3連覇の価値は高い。
遠征にかかった費用や祝賀会やチャンピオンリングの費用はすべて会社が負担。会社としては1千万程度の赤字です。それでも3連覇を成し遂げたことで、優勝記念グッズの売り上げやマスコミの報道による波及効果で、「ジェッツの試合が見たい」とチケットの購買にもつながります。さらに、興味を持っていただいたスポンサーの方からは早速連絡もいただいています。