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真面目な男が「クレイジー坊主」。
いつも体を張った飯塚高史の引退。

posted2019/01/18 10:00

 
真面目な男が「クレイジー坊主」。いつも体を張った飯塚高史の引退。<Number Web> photograph by AFLO

新日本の名脇役として長年戦い続けた飯塚高史。ヒール転向は昔からのファンに衝撃を与えた。

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堀江ガンツ

堀江ガンツGantz Horie

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 年間最大のビッグイベント「1.4東京ドーム」が終わると、新日本プロレスに“別れの季節”が訪れる。

 新日本プロレスでは、多くの選手が1月末日までの1年契約を結んでいるため、例年この時期になると、少なからず契約更改をしない退団者が生まれるのだ。

 近年、ファンにもっとも衝撃を与えたのは、2016年の契約更改時だろう。エースの一角であった中邑真輔、さらには外国人のトップであるAJスタイルズ、カール・アンダーソン、ドク・ギャローズ(現ルーク・ギャローズ)が契約を更改せず、アメリカのメジャー団体WWEに移籍。さらに当時、新日本とDDTの2団体同時所属選手として活躍していた飯伏幸太も両団体との契約を解消した。

 新日本は大丈夫なのか? そんな不安を、ファンも関係者も少なからず抱いたが、内藤哲也率いるロス・インゴベルナブレス・デ・ハポンや、ケニー・オメガらの大ブレイクもあり、さらなる躍進を遂げたのは、周知のとおりだ。

KUSHIDA、オメガの新日離脱。

 あれから3年。今年は新日本ジュニアのエース的存在だったKUSHIDAが「海外への挑戦」を表明し退団。前IWGP USヘビー級王者のCody、ジュニアタッグ戦線の顔として活躍したヤングバックスらTHE ELITE勢は、アメリカの新団体AEW(オール・エリート・レスリング)に参加することが発表された。

 そして、中邑、AJスタイルズ退団後の新日本の“救世主”でもあったケニー・オメガも、新日本離脱を決意。主戦場を海外に移す意向であると報じられている。

 これをもって「再び新日本にピンチ到来」かと言えば、それは違うだろう。現在は新日本がアメリカ本土で年間複数回の興行を打ち、動画配信サービスの「新日本プロレスワールド」を通じて、世界中でリアルタイムで新日本の試合が見られる時代。もはやマット界において、日本とアメリカは“地続き”となった。

 これからは、野球やサッカーをはじめとした他のメジャースポーツ同様、トッププレイヤーたちが契約満了後に異なるリーグを行き来することがあたりまえになっていくだろう。新日本からアメリカに巣立つ選手がいれば、また海外からトップ選手が新日本を目指してくる。そうしてジャンル自体が活性化していくのだ。

【次ページ】 寝耳に水の飯塚引退。

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