“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
選手権決勝で勝敗分けた僅かなズレ。
青森山田が流経柏に勝った点とは?
posted2019/01/15 12:15
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
Takahito Ando
前年度準優勝の流通経済大柏と、前々回優勝の青森山田の一戦となった全国高校サッカー選手権大会・決勝。このカードを見て、「落ち着く所に落ち着いた」という印象を受けた。間違いなくこの2チームは近年の高校サッカーをリードするチームであり、Jユースを含めても同年代においてトップクラスのチームだからだ。
そもそも決勝のカードですでにJ内定者が4人も居るということは、近年あまりないケースだ。
流通経済大柏はCB関川郁万(鹿島アントラーズ内定)、GK猪瀬康介(FC琉球内定)、青森山田はMF檀崎竜孔(りく・北海道コンサドーレ札幌内定)とCB三國ケネディエブス(アビスパ福岡内定)。そして、共にユース年代の最高峰である高円宮杯プレミアリーグイーストに所属し、昨年の順位は青森山田が2位で、流通経済大柏が4位。
さらにすべての高体連チームの中で、2チームだけしか持っていない栄冠がある。それは高円宮杯チャンピオンシップ王者というタイトルだ。
IHや選手権より獲得困難なタイトル?
流通経済大柏は2013年に、青森山田は2016年にイーストを制し、ウェスト王者とのチャンピオンシップ(現・プレミアリーグファイナル)で勝利し、「真のユース年代日本一」の称号を手にした。
この称号を得るのは、インターハイや選手権よりも難しい。
Jユースと肩を並べ、毎週ハイレベルな戦いが繰り広げられる。当然、勢いや運だけで勝つことができず、1年間を通して、変化する相手に対してコンスタントに力を発揮し続けなければならない。
この2チームには毎年それだけの力がある。だからこそ、勝敗を分けるのは細かい部分の差だった。
そして、まさにその細かい差が勝敗をはっきりと分けた。