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「最強」の青学が箱根で負けた理由。
東洋、東海が全てをかけた4区勝負。 

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生島淳

生島淳Jun Ikushima

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photograph byYuki Suenaga

posted2019/01/09 08:00

「最強」の青学が箱根で負けた理由。東洋、東海が全てをかけた4区勝負。<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

東海大の復路もまた、往路に負けないほど高いパフォーマンスだった。新時代の幕開けだ。

東海大も4区に勝負をかけていた。

「花の2区」は東海大にとって鬼門だった。前回は阪口竜平(区間7位)、前々回は關(区間13位)を起用し、いずれもレースに衝撃を与える走りが出来なかった。

 今回、湯沢は見事に5位という好位置でタスキをつないだ。これが重要だった。

 東海大も東洋大と同様、4区に勝負をかけていたからだ。

 山上りが始まるまでに貯金を作るべく、両角監督は駅伝に強い館澤を配置していた。1500mで世界陸上出場を目指す中距離走者だが、今季は出雲の2区で区間2位、全日本の3区で区間賞とトップクラスの力を発揮していた。

 館澤はズルズルと後退してきた青学大をするりと抜き去り、東洋大を追撃する態勢を整えた。

 さらに、東海大は山対策が万全だった。山上りで青学大の竹石に引き離されては、総合優勝の可能性は低くなる。そこで白羽の矢が立ったのが、西田壮志(2年)である。西田は青学大の竹石を3分34秒も上回る1時間11分18秒の区間2位。青学大に対し、4分16秒の大差をつけていた。

箱根の区間特性に対する「正解」。

 そして一夜明け、6区で中島怜利(3年)が青学大の小野田勇次(4年)に9秒しか差をつめられず、青学大の優勝の芽を静かにつぶした。

 そして7区に、2区経験者の阪口を配置。8区にスピードもあり、練習でも強さを発揮する小松陽平(3年)を置く。小松は東洋大の鈴木宗孝(1年)の背後にぴたりとつき、遊行寺近辺で一気に差し切った。

 両角監督は東海大で8シーズン目を迎え、箱根の区間特性に対する「正解」にようやくたどり着いたのだと思う。

 4区、5区、6区で勝負に出て、復路は青学大に勝るとも劣らない布陣を築くことに成功していた。

 お見事、としか言いようがない。

【次ページ】 原監督「4区を甘く見ていました」

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