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マラソンと暑さ。
~大迫の日本記録は13度、20度では暑すぎる~
posted2019/01/13 17:00
text by
小川勝Masaru Ogawa
photograph by
AFLO
2018年に飛躍をとげた日本の競技はいくつかあったが、陸上競技において、男子のマラソンが2度の日本記録をはじめ、層が厚くなっているところを見せた。世界のトップとの開きはまだ大きいとはいえ、日本のトップを争う競争のレベルが上がったことは間違いなかった。
16年ぶりの日本記録を出したのは2月25日、東京マラソンにおける設楽悠太だった。設楽は'17年の東京マラソンで初めてマラソンを走って2時間09分27秒で11位、'17年9月のベルリン・マラソンでは2時間09分03秒で6位という成績だった。そして'18年2月の東京マラソンが、3度目のマラソンだった。'17年の東京マラソンでは高岡寿成の日本記録、2時間06分16秒を狙えるペースで走っていたものの、30kmあたりからペースが落ちた。経験を積んだ3度目、'18年の東京マラソンで、30kmまでは5kmごとのスプリットタイムが14分51秒から14分57秒、30kmから35kmは15分00秒、35kmから40kmが15分11秒で走って、2時間06分11秒という日本記録を達成した。スタートから、ほぼ一貫したペースを守り切った走りだった。