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日本高野連から歓迎されなくても、
新潟県が球数制限を導入した重み。

posted2018/12/26 08:00

 
日本高野連から歓迎されなくても、新潟県が球数制限を導入した重み。<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

吉田輝星の甲子園での奮投ぶりが、投球数という形で物議をかもしたのは記憶に新しい。

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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Hideki Sugiyama

 2018年の高校野球は大阪桐蔭の春夏連覇、夏の大会での秋田・金足農業旋風などに沸いた一方で、改めて高校野球そのもののあり方が問われた年でもあった。

 特に夏の大会では地方予選の段階から、異常気象ともいえる猛暑による熱中症対策、また“金農旋風”の余波としてエース・吉田輝星投手の投げ過ぎがクローズアップされた。

 その結果として大会主催者や監督などの指導者が故障や肉体的なダメージから選手をいかに守るのか、ということを強く問われた年でもあった。

 その激動の2018年が終わろうとしている12月22日に、高校野球にとっては画期的な動きが地方から起こったのである。

 新潟県高校野球連盟が来年4月に開幕する春季新潟大会で、投手の球数制限を導入することを明らかにした。

「やってみないと何も……」

「独自の取り組みとして、来春の大会で球数制限を導入する。やってみないと何も起こらない」

 この日、新潟市内で開催された「NIIGATA野球サミット2018」の中で杵鞭(きねむち)義孝専務理事がこう語って、同県高野連の独自の試みとしての決定を明らかにした。

 今回導入される球数制限は1試合100球。連投による制限はないが、その試合で100球に到達した場合は、それ以降の回では投球できないというものだ。

 もちろん県レベルとはいえ高校野球の公式戦で球数制限が導入されるのは初めてのケース。同サミット後にスポーツニッポンの取材を受けた富樫信浩会長は「将来のある子供たちが(故障で野球を)途中で断念するケースが多い」とし「我々ができることを少しでも前に進めたい」と全国初の導入の理由を説明している。

 この決定が“英断”だったことは、同紙が報じた高校野球の“総本山”である日本高野連の反応が物語っている。

【次ページ】 日本高野連は「先走って……」。

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