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エスパルス、5年ぶりの1ケタ順位。
若手とベテランの融合で名門復権。 

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望月文夫

望月文夫Fumio Mochizuki

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photograph byGetty Images

posted2018/12/29 10:30

エスパルス、5年ぶりの1ケタ順位。若手とベテランの融合で名門復権。<Number Web> photograph by Getty Images

北川や金子らの台頭があった2018年のエスパルス。来季の奮戦にも期待したいところだ。

力を増していった一体感。

 そして元気な若手をけん引したのが、大舞台を経験してきたベテランたちだった。今季出番に恵まれなかったGK植草裕樹、MF兵働昭弘、MF増田誓志、FW鄭大世ら30代の選手たちが、率先して厳しい練習に励む姿を見せてきた。

「あの姿を見たら、若い選手たちは自分ももっとやらなきゃと思うはず。ベテランがしっかり手本になってくれている」とクラブの強化担当は融合を強調。事実、若手も「練習への姿勢が手本になった」と口を揃えた。

 若手とベテランの融合に加え、外国人選手とも1つにまとまった。それを象徴する出来事があったのはシーズンの終盤。今季序盤からチームを攻撃面で支えてきたFWクリスランだが、10月の試合中のケガが前十字靭帯損傷で全治8カ月と診断され、治療のためブラジルへ一時帰国を余儀なくされた。

 その別れの日、多くの選手がクリスランを見送ったのだ。選手は「ほんとうに良いやつだったし、みんな仲が良かったから」と当たり前としていたようだが、長く在籍するクラブ関係者は「そんな光景はこれまであまり見たことがなかった。ここしばらくでは、もっとも一体感があるチームになっていた証拠だ」と良好なチーム状況に目を輝かせた。

監督の分け隔てのない扱い。

 その一体感をさらに深めたのがヨンソン監督だった。ある主力選手が言う。

「外国人監督は、外国人選手に甘いというか一目置くことが多いと思うけど、監督は全く違う。あれだけチームに貢献してくれたドウグラスにも、前線からの守備を怠れば厳しく言う。日本人と変わらない、分け隔てのない扱いで選手はストレスを感じなかった。チームの一体感をより深めた要因だと思う」

 2016年にはクラブ史上初のJ2を経験し、2017年は辛うじて残留、そして今季は下位に低迷するとした多くの予想を覆し8位で終了した清水。開幕戦のドローを自信に守備の不安を徐々に解消させ、見事な補強で攻撃力を爆発的に増強した。

 そして日本一のサッカーどころの後押しを受けた生え抜きを中心とする若手選手の成長や、ベテランと若手と外国人選手が見事に融合して生まれた一体感などの追い風を武器に、来季の名門がさらなる高みを目指す。

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