話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
コンサドーレ躍進の理由と2019年。
主力とベテランが離脱する影響は?
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byJ.LEAGUE
posted2018/12/27 16:00
チャナティップがボールを持つことで、札幌の攻撃の可能性は一気に広がる。2019年は彼らの本当の力が問われる。
世代交代の影響はどれほど大きいか。
果たして来シーズンは、3位内を狙えるのか。
チーム編成から見ると、駒井善成を完全移籍で獲得できたことは大きい。だが、チーム得点王の都倉がセレッソ大阪へ完全移籍し、右サイドハーフの三好康児が川崎にレンタルバックになった。
空中戦とポストプレーに強みを持つストライカーと、チャナティップと両翼をなすサイドアタッカーの流出は、攻撃を持ち味とするペトロヴィッチのサッカーにとって大きな打撃だ。また、これまでチームを支えてきた河合竜二、稲本潤一、内村圭宏らベテランがごっそりと退団した。
札幌はペトロヴィッチ体制を固めつつ、世代交代を推し進めようとしているが、いろんな意味でチームを支えていたベテランたちが抜けたことでチームのカラーがどのように変化するか。
また、主力の2枚が抜けた穴としてFWアンデルソン・ロペスを獲得、FWルーカス・フェルナンデス、長崎で活躍した鈴木武蔵ともほぼ合意しているいう。外国人枠を最大限に生かしてブラジル人を獲得し、さらに攻撃力ある日本人を得たわけだが、彼らがどのくらいチームにフィットするのか。
「今シーズンは出来すぎ」なのか?
ただ、選手やサポーターはこれまで見えなかった風景を見たことで意識が変わり気持ちが貪欲になっている。「今シーズンは出来すぎ」という選手の声もあったが、自分たちの実力を過信していないところに、まだ札幌というチームの伸び代が感じられる。
来シーズンは相手チームからさらに研究され、思い通りにいかない我慢比べのような試合が増えるだろう。それでも守備の整備をしっかりこなせば、より安定した粘り強い戦いができるはずだ。2019年は、今シーズンの4位がまぐれではなく、本物の力がついたことを証明するシーズンになる。