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ジュビロは残るべくして残留し、
ヴェルディは誇りとともに散った。

posted2018/12/11 17:00

 
ジュビロは残るべくして残留し、ヴェルディは誇りとともに散った。<Number Web> photograph by J.LEAGUE

入れ替え戦はジュビロの完勝だった。しかしそのことが、ヴェルディの落ち度を意味するわけではない。

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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J.LEAGUE

 残酷かつスリリングな一発勝負は、意外なほどスムーズに着地した。

 12月8日のJ1参入プレーオフ決定戦は、J1リーグのジュビロ磐田の勝利に終わった。名波浩監督が率いるサックスブルーは、J2リーグの東京ヴェルディを2-0で退けた。

 シュート数13対2という数字は、試合内容を分かりやすく表している。ジュビロの得点はPKと直接FKによるものだが、結果は論理的だったと言っていい。

 勢いはヴェルディにある、との見立てが広がっていた。スペイン人のミゲル・アンヘル・ロティーナが統べるチームは、J2リーグ6位で参入プレーオフに臨んだ。一発勝負のトーナメントはリーグ戦の順位が上位チームのホームで行われ、後半終了時点で引分けなら上位チームが勝ち上がる。

 しかし、1回戦でJ2リーグ5位の大宮アルディージャに1-0で競り勝ち、2回戦でも同3位の横浜FCを1-0で下す。横浜FCが攻撃の切り札レアンドロ・ドミンゲスを欠いていたとはいえ、90+6分にドウグラス・ヴィエイラがあげた決勝弾は、ヴェルディに強烈な追い風を吹かせると思われた。

 さらに付け加えれば、ドウグラス・ヴィエイラのゴールは、GK上福元直人のヘディングシュートをきっかけとしていた。'14年のJ1昇格プレーオフ準決勝で、ジュビロはモンテディオ山形のGK山岸範宏にヘディングシュートで失点を喫している。

 リーグ戦の順位はジュビロが4位でモンテディオは6位だったが、90+2分の決勝弾で下剋上が起こったのだった。ふたつの得点を重ね合わせ、「ヴェルディには勢いがあり、何かが起こるのがプレーオフだ」との見立てが補強されていった。

ギリギリでプレーオフに回ったジュビロ。

 ヴェルディとは対照的に、シーズン終盤のジュビロは勢いを感じさせなかった。

 33節終了時点の順位は13位で、最終節で勝点1以上を積み上げれば残留圏内に止まることができた。川崎フロンターレとのアウェイゲームは難しいものの、後半アディショナルタイムまでは1-1の同点で推移していく。

 ところが、90+4分のオウンゴールで残留へのシナリオは強制的に書き換えられる。そうなると、小さな減点材料が重みを持ってくるものだ。32節から3試合勝利なしでリーグ戦を終えた事実が、上り調子のヴェルディとは対照的だと見なされていった。

【次ページ】 得点力不足による得失点差が響いた。

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