ファイターズ広報、記す。BACK NUMBER
金子千尋に王柏融。広報も震えた
電撃補強は情報管理と執念の賜物。
posted2018/12/09 11:30
text by
高山通史Michifumi Takayama
photograph by
Kyodo News
ストーブリーグ、オフも師走に入った。慌しいが、心が躍るトピックにあふれている。
北海道日本ハムファイターズの広報部は今オフ、幸せな右往左往をしながら日々を過ごしているのである。パソコンから報道リリースの「送信」をクリックする前に、記載内容の詳細の事実確認をもう一度、入念にしたくなるほど弊チームにとって大きな案件が連続している。
12月4日。オリックス・バファローズを自由契約となっていた金子千尋投手と、契約合意に達した。
12月7日。台湾・ラミゴからポスティングシステム(入札制度)で日本球界移籍を目指し、優先交渉権を得ていた王柏融外野手とも無事に契約合意した。
上記2件の合間、12月5日には前シカゴ・カブスのジャスティン・ハンコック投手の獲得を発表した。
翌12月6日には今シーズン加入したマイケル・トンキン投手の退団をリリースしたのである。
激動の1週間であることは、事象から推察いただけると思う。
ファンと同様のサプライズだった。
2019年シーズンへ向けた、球団としての所信表明のような「人事」である。それを配信するのは、慣れない新米広報としては少し身構えてしまうのである。
球団内外の周囲から、よく驚きの声を聞く。広報は情報を早い段階で知っていると思われているが、弊チームはその限りではない。編成権を司るチーム統轄本部の方針で、案件の重要度によるが、重い事案ほど直前である傾向が強い。
配信前日の深夜、時には当日の朝に「今日の●時に、報道リリースで『●●選手と契約合意』の配信をお願いします」などと、命を受けるケースも多いのである。
広報業務とは切り離した部分ではあるが、この一貫した指針のお陰でファイターズ、またプロ野球ファンの方々と同様のサプライズ、感情を享受できている。広報でも、その衝撃を共有できるのが弊チームである。
長い前段になったが、その上で記す。
王柏融選手である。