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サッカーの年俸格差も調べてみた。
上位はFWやMFだらけ、GKは……。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byAFLO
posted2018/11/19 07:00
世界中を虜にしたメッシ(左)とイニエスタの連係。どちらも高年俸とはいえ格差はあったようで……。
ロナウドの7番ユニが爆売れ。
そして案の定というか、トップ20にGKはいない。DFでもランクインしたのは長きにわたって活躍するチアゴ・シウバ、ジェラール・ピケだけ。それ以外はFW、次に多いのはゴールに絡めるMFだ。やっぱり野球のバッティングと同じく、サッカーでも「点を奪う」ことこそが“稼ぐ”道なのか。
それに加えて残酷だが、クラブ収入への貢献度もあるのだろう。
今夏ロナウドはレアルからユベントスに移籍したのは周知の通りだが、決定後24時間でビアンコネロの「RONALDO 7」のユニフォームは飛ぶように売れたという。
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その枚数、なんと52万枚。1着1万円としても、たった1日で52億円の売り上げを叩き出しているのだから、ユーベとしてはウハウハなはずだ。
一方、今夏マドリーに加入したクルトワである。ロシアW杯を見れば素晴らしいクオリティの守護神であることは明らかだ。ただサンティアゴ・ベルナベウがクルトワのGKユニフォームだらけになる、とはさすがに想像しにくい。
失点に直結するミスをすれば大いに叩かれる昨今の風潮を見ると、GKのストレスは半端ないはず。野球の捕手と似たような立ち位置だが、ゴールマウスに立ちはだかる彼らは本当に偉いと思う。
とはいえメッシとかの年俸を忘れれば、GKも充分に凄い額だったりする。2017年時点だが、バイエルンのノイアーは900万ユーロ(約11億7000万円)、マンチェスター・ユナイテッドのデヘアは680万ユーロ(約8億8400万円)、そしてミラン所属の19歳ドンナルンマは600万ユーロ(約7億8000万円)。ティーンエージャーで、もう億万長者である。
あれ、イニエスタは?
さてランキングを見て「あれ、あの選手は?」と思った人は鋭い。
そう、イニエスタである。
このランキングはヴィッセル神戸移籍前のタイミングで発表されたものなので、加入後の年俸が反映されていないのだ。
楽天の三木谷浩史会長やクラブ関係者の情熱が実ったわけだが、その年俸は推定32億5000万円と言われる。バルサ時代の最高年俸は約800万ユーロ(約10億4000万円)で、とんでもない年俸アップとなった。前述した年俸ランキングで言えばオスカルやフッキらの中国勢どころか、4位のベイルと同等の待遇になったわけである。
とはいえ契約延長前の2016年、Forbesの同じランキングでメッシの年俸は5340万ドル(約61億4000万円)。あれだけカンプノウでメッシにおぜん立てしたイニエスタでも、バルサ時代はメッシの足元にも及ばない年俸だったのだ。
やはりここにも「FW>MF>>>DF>GK」の序列を感じてしまう。