スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
遅刻魔デンベレはバルサのお荷物?
プジョルから届いた、愛ある説教。
posted2018/11/18 11:00
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph by
Uniphoto press
バルサがメッシ不在の3週間を無敗で乗り越えた。
ラ・リーガではレアル・マドリーとのエル・クラシコを5-1で制し、大苦戦したラージョ・バジェカーノ戦も劇的な逆転勝利を手にした。今季最大の目標であるチャンピオンズリーグでは2試合ともにインテルを圧倒。アウェーではワンチャンスを活かされ引き分けに持ち込まれたが、2試合を残して決勝トーナメント進出を決めている。
この間にはルイス・スアレスの復調、ラフィーニャの猛アピール、新戦力マルコムの初ゴールなど、嬉しいニュースがいくつもあった。
一方で、深刻化した問題がひとつある。ウスマン・デンベレである。
覚醒と思いきや練習無断欠席。
シーズン序盤こそ左FWの先発に固定して起用され、立て続けにゴールを決めて「2年目の覚醒」への期待が高まった。
しかし不用意なボールロストや守備意識の欠如といった課題は相変わらずで、アルトゥールがインサイドMFに定着した10月以降は出番が激減。ゆえにメッシの負傷離脱は先発復帰をアピールする絶好の機会だったのだが、その間も軽いプレーが改善される気配はまったくなかった。
さらにはピッチ外の問題も最悪のタイミングで重なった。11月8日の練習を連絡なしに休んだのだ。
期待外れのプレーが続くなか、以前から問題視されてきた遅刻癖や不摂生を正す意識も見られない。これでは救いようがないとばかりに、地元メディアはこの一件を機にデンベレのプロ意識の低さを大々的に批判しはじめた。
無断欠勤の理由は急性胃腸炎により寝込んでいたことだったが、電話連絡ひとつ寄こさない責任感の欠如は“仏のバルベルデ”も見逃すことはできず、直後のベティス戦ではベンチからも外されることになった。