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「スポーツの本質は遊びでしょう?」
ラグビー伝説の名将・春口廣の今。
posted2018/11/11 09:00
text by
多羅正崇Masataka Tara
photograph by
Masataka Tara
笑顔で再スタートを切っている。1997年度から10季連続で大学選手権ファイナルに進出し、6度の大学王者を経験した関東学院大学ラグビー部の春口廣(はるぐち・ひろし)元監督。
2015年に同大学を定年退職したのち、現在は週に1度、子ども達を指導している。
「来年のワールドカップ後のことを考えると、やっぱり子どもじゃないですか。子どもにラグビーを嫌いになってもらっちゃいけないよね」
理事長を務めるNPO法人「横濱ラグビーアカデミー」は、毎週土曜日、横浜市金沢区の海の公園で活動している。
参加する子どもは5人程度と小規模。だから春口さん、副理事長の櫻井勝則さん、そして保護者も一緒になって楕円球と戯れる。春口さんはメニューを進行しつつ、みずからもボールを抱き、楽しげに駆けていた。
「やっぱりラグビーするのが好きだから。自然と楽しくなるよね。学生のときもそうだった。ヘラヘラしていたら、『なに笑ってんだ』ってブン殴られてさ(笑)。ラグビーをしているときが一番楽しかったから」
清宮克幸監督とはライバル関係。
1949年、静岡県に生まれた。日本体育大学を卒業後、1974年、当時リーグ戦3部にいた関東学院大ラグビー部監督に就任した。
アカデミー副理事長の櫻井さんが4年生だった1982年、1部に昇格。関東学院大で監督も務めた櫻井さんは「当時は神奈川の出身者だけで、部員は26、7人でした」と当時を懐かしむ。
そして箕内拓郎(元日本代表主将)を擁した1997年度、悲願の大学王者に。2006年度まで清宮克幸監督(現ヤマハ発動機監督)率いる早稲田大学とライバル争いを繰り広げながら、大学ラグビー界を牽引した。