【NSBC補講II】 BリーグNo.1経営者のビジネス論BACK NUMBER
アクセスが悪いと集客に不利か。
広島のスポーツ事情から考える。
text by
島田慎二Shinji Shimada
photograph byB.LEAGUE
posted2018/11/02 08:00
開幕戦連敗スタートとなった千葉ジェッツだが、その後8連勝。平均観客動員数は今季も首位を走っている。
若者が活躍するきっかけに。
実際に彼らが開発したサービスは面白いです。今回、導入を予定している「スポカレ」はあらゆるスポーツの日程・事前情報が詰まったサービスで、ファンにとっては便利であるツールになることはもちろん、クラブとしても新たな集客・マーケティング機能としても役立つと確信しています。
一方、「whooop!」は、スポーツの熱量を、テクノロジーを使って換金化していくもので、ともに時代にマッチしたサービスと言えるでしょう。
「whooop!」のようなサービスはすでにアメリカでも存在しています。ただ、アメリカで採用されているモデルをそのまま持ち込んだだけでは、日本では受け入れられにくい。ギフティングという日本人にはあまり馴染みのない行為に、収集する楽しみを加えることで、興味を促す。これからはそういうものが主流になり、大手も参入してくるでしょう。
幸い、「ジェッツで採用してくれたら」と他のクラブに先駆けてアプローチしてもらえる機会が多く、それはうちとしても、「こういうサービスがトレンドになってきているんだな」といち早く情報を入れることができ、知識も増えるというメリットもあるのです。人材育成というような偉そうなことは言えませんが、若い人たちが活躍する最初のきっかけになれれば非常にうれしいですね。
気になるロケーションの問題。
9月20日の中国新聞に「首位快走も集客は失速 1試合平均1万3698人、昨年下回る」というJリーグ・サンフレッチェ広島についての記事が掲載されていましたが、これは、サッカー界にのみならず、スポーツビジネスに携わるものとして非常に気になるものでした。その後、Twitter上でその要因は一体なんなのかと問いかけてみると、予想以上に多くの方々からコメントが寄せられました。
そこで皆さんからいただいたコメントを参考に、私なりにいろいろと分析してみました。すでにnoteでも発信していますが、大きく分類すると、アクセス問題、広島カープの圧倒的な存在感、甚大な豪雨災害の影響、スタジアムの課題、メディアのバックアップ体制、県民性、チーム事情、駐車場問題、平日開催の増加等などがあげられます。
集客の減少にはいくつもの要因が考えられますが、1つ大きく言えることは、スタジアムや、バスケットであればアリーナのロケーションが悪いと観客は足が遠のくということです。
私はよくTwitterで「気になるのはロケーション」とつぶやいていますが、例えば、広島の場合、サンフレッチェにしてもBリーグ・広島ドラゴンフライズにしても、広島の中心部から離れており、物理的な部分で集客に苦労する。平日開催になるとさらに顕著で、観客動員数が極端に落ち込みます。仕事帰りにふらっと立ち寄ることが現実的ではない距離感なのです。車がなければ無理で、ということは会場で飲酒もできません。