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2度の解任劇で失格の烙印……。
ロペテギの運の炎を消した死神。 

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吉田治良

吉田治良Jiro Yoshida

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photograph byUniphoto Press

posted2018/11/01 10:30

2度の解任劇で失格の烙印……。ロペテギの運の炎を消した死神。<Number Web> photograph by Uniphoto Press

あまりにも劇的な1年間を過ごしたロペテギ。彼の能力そのものが否定された訳ではないが……。

格下相手でも手こずる始末。

 そしてラ・リーガ第9節のレバンテ戦では、今シーズンから導入されたVARによる判定で相手のFKがPKに変わり、自分たちのゴールがオフサイドで取り消された。30本以上のシュートを打ちながら、結果は1-2の敗北だ。

 10月23日のCLグループステージ第3節でチェコのプルゼニを2-1で下し、ようやく長いトンネルを一度は抜けたものの、ホームで明らかな格下を相手に手こずり、試合後のサンティアゴ・ベルナベウはブーイングに包まれた。復調の足掛かりを掴んだとは、とても言えないような試合内容だった。

バルサに5点を奪われて万事休す。

 迎えたエル・クラシコ。前半のマドリーは、ジャブのひとつすら当てられず、攻守においてバルサに圧倒された。

 それでもロペテギは、みずからの運というロウソクの炎を燃え尽きさせまいと、最後の賭けに打って出る。

 2点のリードを許して迎えた後半の頭から、3バックの3-5-2にシステムを変更。これが奏功し、50分にはピッチの幅と奥行きを使った攻撃から、最後はマルセロが決めて1点差に追い上げている。伏し目がちだった視線がキッと上がり、マドリーが前半とは別人のように果敢な打ち合いに挑むのだ。

 仮に56分のモドリッチの一撃が右のポストを叩いていなければ、そして68分にベンゼマが放ったヘディングシュートがネットを揺らしていれば、あるいはロペテギは、新しいロウソクに炎を移し替えることができたのかもしれない。

 しかし──。

 結局、決めきれるストライカーの存在の有無と、選手層の優劣、そしてチームとしての成熟度の差が勝敗を分けた。

 今回はC・ロナウドもリオネル・メッシもいない11年ぶりのエル・クラシコだったが、メッシを怪我(右腕骨折)で欠いても、バルサにはルイス・スアレスがいた。

 常人離れした体幹の強さと反応スピードを持ったウルグアイ人ストライカーは、75分、83分と立て続けにゴールを奪ってハットトリックを達成。マドリーとロペテギに引導を渡したのだ。

 そしてダメ押しの5点目は、いずれも途中出場のウスマン・デンベレとアルトゥーロ・ビダルのコンビから生まれている。

【次ページ】 もう少し待つべきだったのではないか。

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