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「イタリア最高のMF」はまだ21歳。
サッカーも結婚も早熟な男バレッラ。

posted2018/10/31 11:15

 
「イタリア最高のMF」はまだ21歳。サッカーも結婚も早熟な男バレッラ。<Number Web> photograph by Getty Images

ポーランド戦、決勝ゴールのビラーギに駆け寄るバレッラ(左)。大先輩のピルロにも絶賛されている逸材だ。

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弓削高志

弓削高志Takashi Yuge

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 昔、イタリアのクラブは、これはと見込んだ若手に「早く結婚しろ」と勧めたと聞く。

 所帯をもつことで選手には責任感が生まれ、物事の分別がつくようになり、精神的安定からプレーの幅が広がってゲームへの集中力が増す、というのが理由だ。

 離島のカリアリでプレーするMFニコロ・バレッラは、下手をすると高校生にしか見えない童顔だが、21歳にしてれっきとした所帯持ちだ。7歳年上の姉さん女房と1歳半の愛娘がいる。

 2016年度の人口統計調査によると、イタリアは今や男性の初婚平均年齢が37.38歳にもなる超晩婚化社会。このご時世にバレッラの早熟ぶりは際立つが、それより驚かされるのは、お世辞にも知名度が高いと言えない彼が現在、「イタリア国産ナンバー1ミッドフィールダー」という異例の高評価を受けていることだ。

 “若手の”という但し書きはついていない。今はまだ無名でも、バレッラは次世代のイタリア代表の鍵となる男かもしれないのだ。

5月以来、新アズーリは9人目。

 60年ぶりのW杯予選敗退から再起を図るイタリア代表では、今、大胆な世代交代が進んでいる。

 アズーリの監督マンチーニは、10月の代表連戦にバレッラをサプライズ招集。10日の親善試合ウクライナ戦で先発に抜擢し、A代表デビューさせた。5月に就任したマンチーニによる新アズーリ登用は9人目だ。

 指揮官の慎重な計らいで最も得意とする左サイドハーフで起用されたバレッラは、デビュー戦の緊張と興奮を抑えながら広い視野と豊富な運動量でピッチ狭しと駆け回った。

 10節を終えたセリエAで、バレッラの試合平均走行距離11.729kmはリーグ5位にあたる(1位はインテルMFブロゾビッチ=11.942km)。ただし、ランキング上位50人でバレッラの総出場時間963分を超える人間はいない。全体の3位にあたる被ファウル数41はイタリア人最多。若くても体を張っている証拠だ。

 何より島育ちの男気がある。まだまだ成長の余地はあるが、バレッラはかつてサルデーニャ島のアイドルだったMFナインゴラン(現インテル)のイタリア版だ。

「ラジャ(・ナインゴラン)はヨーロッパでも最強クラスのMFの1人だよ。彼と同じくらい強い気持ちで試合に臨みたいといつも思っている」(バレッラ)

 セリエA屈指の攻守のオールラウンダーである“ニンジャ”の後継者なら、どんな指導者でも欲しいにちがいない。

【次ページ】 大物2人との初コンビで見事な連係。

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