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大岩剛監督が褒める鹿島の成長度。
ACL決勝に進出し「非常に伸びた」。
posted2018/10/27 16:30
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
AFP/AFLO
終了間際の逆転劇で第1戦をホームで3-2と勝ちきった鹿島アントラーズは、韓国へ渡り、ACL準決勝第2戦の水原三星戦に挑んだ。
「第1戦の3-2というのはまったくないものと考えている。試合の状況や流れを見ながら判断し、ピッチとベンチの繋がりをしっかりもつことが大事。悲願という話もあるが、上を見るのではなく、明日の試合しっかり勝ってファイナルへ進むことしか考えていない」
前日会見で鹿島の大岩剛監督がそう言えば、水原の指揮官ソ・ジョンウォンはこう返す。
「確かに我々はアウェイで2ゴールを決めているが、不利な状況にあるのは間違いない。負けている状況なので、攻撃に出る。大切はなのは中盤でボールを握ること。我々にはあとはない」
攻撃的な選手として代表や欧州でも活躍したソ・ジョンウォンは47歳。大岩とは2歳差の同年代だ。8月下旬、辞任を表明してチームを離れたが、10月中旬に復帰。その後公式戦3連勝で、チームの雰囲気は非常に良いと話していた。
「ここ最近の試合を分析していても、選手たちの前向きな姿勢を感じた。監督が戻ってきてから、良いマネージメントが行われている。我々はその勢いを受けずに、主導権を握って戦っていきたい」と、大岩も第1戦で相手の変化に気づいている様子だった。
連続で失点しても慌てない。
そして、キックオフ。序盤からアグレッシブさを発揮したのはホームの水原だった。球際で激しく競り合い、鹿島陣地に圧力をかける。しかし、鹿島もそれを跳ね返し、一進一退の熱い攻防が展開された。そして25分、ソ・ジョンウォン監督がキーマンと警戒していた鈴木優磨がファールを受け、FKから山本修斗が先制点を挙げる。緊張感は維持されたまま、前半が終了した。
水原は後半開始時に長身FWのパク・キドンを投入し、「中盤でボールを握る」サッカーから、シンプルに前線へボールを蹴りこむ戦術へ変えた。これに鹿島守備陣の対応が間に合わず、後半開始15分で立て続けに3失点を喫した。
その時の心境を、大岩監督はこう話している。
「1-3になった時点でも、私自身としては冷静でいられました。シーズンを通して、チームには『その時々の状況をしっかりと把握しよう』と言い続けてきました。だからこそ選手は慌てず、失点後に集まって自分たちがやるべきことを統一して、ピッチで表現できた。そのことを非常に評価していますし、信頼している選手たちがさらに一回り大きくなったんじゃないかと感じています」