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「カープの歴史に名を残すチーム」
マエケンが語る3連覇とプレーオフ。 

text by

ナガオ勝司

ナガオ勝司Katsushi Nagao

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photograph byNanae Suzuki

posted2018/10/05 16:30

「カープの歴史に名を残すチーム」マエケンが語る3連覇とプレーオフ。<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

前田健太もカープのセ・リーグ3連覇を喜んでいる。カープが日本一、前田がワールドチャンピオンを達成となれば、広島はさらに沸くだろう。

マエケンにとっては伝説の選手。

 余談になるが、同氏が全盛期に差し掛かった1980年代半ばは、今年のパ・リーグ優勝争いをリードした西武ライオンズの全盛期でもあった。

 とくに1986年の日本シリーズは、初戦を引き分けた後、広島が3連勝しながらも、西武が4連勝した印象深いシリーズだ。後に福岡ソフトバンクの監督として日本一になった秋山幸二氏が清原和博氏らとクリーンアップを組んでおり、同点本塁打を放ってバック宙を披露したのもこのシリーズだ(第8戦)。

 前田が生まれたのは、その「黄金期の西武」が日本シリーズ3連覇を達成した1988年のことである。「北別府さん」は彼にとってはまさに、伝説の野球選手だろう。

 球団史上初のセ・リーグ3連覇は間違いなく、偉業である。

 カープは今季の優勝で、中日と並ぶ2位タイのセ・リーグ優勝回数9を記録した(最多は巨人の36回)。その偉業が、クライマックスシリーズ(以下CS)という歪なプレーオフ形式によって色褪せなければいいのにな、と心から思う。

優しい目線が、少し厳しくなった。

 なぜなら今の日本プロ野球のプレーオフ形式では、せっかくペナントレースを制して「リーグ王者」となっても、プレーオフを勝ち抜いて「CS王者」とならないことには日本シリーズに進めないからだ。

 外部から見るとどうにも理屈に合わないことだが、そういう仕組みになっているのだから、仕方がない。

「プレーオフはまた、ちょっと戦い方が違ってくる」

 そう言ったのは、他ならぬ前田だ。古巣を思う優しい視線が、少し厳しくなった。

 それはきっと、彼自身がプレーオフの激闘を、メジャー移籍以来、毎年経験しているからだろう。

「プレーオフを勝ち上がっていくのは本当に難しい。リリーフの使い方とか、戦術的なことも変わってくるし、ラッキーボーイみたいな選手が出てくるかどうかも大きい」

【次ページ】 ドジャースで今度こそ世界一を。

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