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手倉森誠が目を細めるリオ世代の飛躍。
“谷間”がついに代表の中心に。 

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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photograph byKenzaburo Matsuoka

posted2018/10/01 10:30

手倉森誠が目を細めるリオ世代の飛躍。“谷間”がついに代表の中心に。<Number Web> photograph by Kenzaburo Matsuoka

ロシアワールドカップでメンバー入りするも、出番なく終わった遠藤航。心中期するものは大きいだろう。

アジアで勝てない世代だった。

 森保一監督の初陣となったコスタリカ戦は、リオ五輪世代による猛々しい咆哮だった。遠藤、中島、南野に加え、浅野、室屋成、三浦弦太、三竿健斗、伊東純也がピッチに立った。ウォーミングアップだけに終わったものの、植田直通もベンチに控えていた。ケガで代表入りを辞退した大島僚太も、リオ五輪世代のコアメンバーのひとりだ。

 ロシアワールドカップ後初の国際試合となったコスタリカ戦は、これまで主力を担ってきた経験ある海外組が招集されていない。長友佑都、香川真司、吉田麻也ら'08年の北京五輪世代、酒井宏樹、大迫勇也、原口元気ら'12年のロンドン五輪世代を除いたチーム編成となれば、リオ五輪世代が中心となるのは必然だ。

 とはいえ、かくも多くのリオ五輪世代が日本代表を構成する現実を、想像するのが難しかったのも事実である。'13年U-20ワールドカップのアジア予選は準々決勝敗退、すなわち世界大会出場を逃し、手倉森監督のもとで挑んだ'14年のアジア大会でもベスト8に止まった彼らは、「アジアで勝てない世代」と言われていたからだ。

追いかけ、追いかけられる立場。

 さきほどとは違う種類の笑みを、手倉森はこぼした。

「'14年にU-21日本代表としてチームを立ち上げてから、我々のターゲットは2年後のリオ五輪だった。ただ、リオ五輪はゴールではなかった。'18年のロシアを目ざせ、'22年のカタールでは必ず中心になれ、と選手たちにずっと言い続けてきた。

 彼らもその気になってお互いを高め合ってきたからこそ、遠藤、植田、大島、中村航輔の4人がロシアワールドカップの代表に入り、いまこうして多くの選手たちが招集されているのだと思う」

 新チームの第一歩としては申し分ない。ただ、リオ五輪世代は依然として追いかける立場である。10月のテストマッチでは、ロシアで主力を担った選手たちとの競争が待ち受ける。伊藤達哉、堂安律、冨安健洋ら'20年の東京五輪世代もライバルだ。実績のある選手たちを追いかけて、次世代に追いかけられもするのが、リオ五輪世代の立ち位置である。

【次ページ】 「自分たちが中心に」(遠藤航)

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