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Bリーグ富山のオフェンスが破壊的。
原動力は新加入トリオと“北海道”。
posted2018/09/17 08:00
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph by
B.LEAGUE
2回目の開催となるB.LEAGUE EARLY CUPは、昨シーズンB1・B2に所属していた36クラブのうち京都ハンナリーズを除く35クラブとKBLソウル三星サンダースが参戦し、9月7日から9日にかけて6カ所の会場で同時開催された。
その中で、北信越大会に参戦予定だったレバンガ北海道が直前の大地震の影響で参戦を断念。北信越大会は残る5クラブで開催され、B1の新潟アルビレックスBBと富山グラウジーズが順当に勝ち上がって決勝で激突した。
昨シーズン最後までチャンピオンシップ(以下CS)のイスを争った新潟に対し、富山は途中でその争いから脱落した上に残留プレーオフに回り、B2熊本ヴォルターズとの入替戦を制してギリギリのB1残留。その結果だけを踏まえれば新潟に分があると思われるところだが、その一方で昨シーズンの直接対決の成績は富山が5勝1敗と大きくリードしていた。
非常に興味深い顔合わせであったことは間違いないが、フタを開けてみれば富山のオフェンスが爆発し、108-78と予想外の大差で富山が勝利。東海・北陸大会として開催された昨年に続き、富山は連覇を達成した。新潟がディフェンスの良いチームではないとはいえ、大量108点を奪ってみせた今シーズンの富山の強さははたして何なのか。
スミス、ライオンズの得点力。
その1つは、新たに加わった戦力の破壊的な得点力だ。試合の立ち上がりでゴール下を支配したのはジョシュア・スミス。昨シーズン京都のCS進出の原動力となったスミスは、208cm・138kgという体格の持ち主。その体をフルに活かしたパワフルなローポストアタックを止めるのは難しく、この試合ではチームの最初の9得点を1人で稼ぎ、最終的に23得点を挙げている。
スミスの連続得点でディフェンスの意識がインサイドに偏った新潟に対し、富山は長距離砲を連発。同じく新戦力であるレオ・ライオンズはこの試合で7本中5本の3ポイントを成功させた。
また、昨シーズン在籍していた千葉ジェッツで一時期ポイントガードも務めていたライオンズはボール運びにも参加。ここ2シーズンは宇都直輝が正ポイントガードとして全面的にゲームコントロールを任され、オフェンスの起点になっていたが、この日はボール運びの時点でライオンズにボールを預けるケースも目立った。
スミスのローポストアタックとライオンズの1on1がオフェンスのオプションに加わり、昨シーズンはリーグ断トツの出場時間を数えた宇都の負担が減ったことは間違いない。