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Bリーグ富山のオフェンスが破壊的。
原動力は新加入トリオと“北海道”。
text by
吉川哲彦Akihiko Yoshikawa
photograph byB.LEAGUE
posted2018/09/17 08:00
アーリーカップで優勝した富山グラウジーズ。新ヘッドコーチののドナルド・ベックのもと、中地区の台風の目となるか。
スピードとクイックネスを活用。
新指揮官であるドナルド・ベックヘッドコーチはディフェンスに力点を置くコーチングスタイルで日本でも結果を残してきたが、オフェンス面でもそのバランスには注意を払っているという。その点で、この試合の内容にはおおむね満足だったようだ。
「我々が持っているスピードとクイックネスを活用し、それで解決できない時は外国籍選手にボールを入れて、今日のような展開にしたい。オフェンスもディフェンスも日本人選手と外国籍選手のバランスをしっかり考えて、戦い方を構築していきたい」
新戦力は外国籍選手だけではない。千葉から移籍してきた阿部友和は、ディフェンス力の高いポイントガード。この試合のように宇都のバックアップとしての役割を担うことが見込まれるが、強度の高いディフェンスから自チームの速攻を生むことができるという点で、チームに勢いをもたらすことが期待される。
阿部とコーチの理想は同じ。
実際にこの試合でも、第2クォーター開始早々にマッチアップした森井健太のパスを読んでカットした場面があった。試合の状況をしっかりと把握した、高い経験値を持つ選手ならではのプレーだった。
「あの場面はまだリードが少なく(23-18の5点差)、ディフェンスからリズムを作りたい状況だったのでスティールを狙っていた。一気に点差を広げたかったので、ここがアピールの場だと思いました。相手も交代で入ったばかりでボールが手につかない状況。そのタイミングを狙ってできたのが功を奏したかなと思います」
ディフェンスを重視し、オフェンスにはスピードを求めるベックHCのバスケットにおいて、阿部はまさにうってつけの選手と言っていい。そのことは阿部自身も実感しているようだ。
「たぶんコーチの中ではやりたいバスケットというのが明確にあって、細かいルールがたくさんある。その中でオフェンスよりはディフェンスにフォーカスするということを練習でも言っているので、今日ディフェンスが効いたのは良かったし、そうそう崩れることはないんじゃないかと思います。
コーチの考えと今いる選手がすごくマッチしていると思いますし、自分に関してもディフェンスが強みだと思っているので、コーチがやりたいバスケットにマッチしていると思う。コーチがやろうとしているバスケットは自分がやりたいバスケットでもあるので、やっていて楽しいですね。より自分をプッシュして、コーチの信頼をもっと勝ち取っていきたいです」