サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
南野拓実は3年前と何が変わったか。
「僕らがW杯に出た人を脅かす」
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byJFA/AFLO
posted2018/09/09 11:30
森保一監督は南野拓実(中央)だけでなく、堂安律(右)、中島翔哉らを招集した。代表での競争は熾烈さを増しそうだ。
思い出すベルギー戦のカウンター。
このシーンで思い出したことがある。ロシアW杯ベルギー戦、試合を決したあのカウンターだ。
カウンターに備える準備ができていなかったこと、あの場面でゴールを獲りにいきすぎたこと。そしてベルギーの選手との身体能力の違いなど、失点を許したのにはいくつもの要因がある。
しかし何より、ベルギーのカウンターを止めるプレーができなかった。ロシアW杯ではベルギー戦以外でも、攻撃を止めるために相手ユニフォームを引っ張りかけたものの、突破を許してしまう場面があった。
もし肩に手をかけてもユニフォームが身体に吸いついている状態だと、つかむのは難しい。しかしユニフォームとパンツの境目のあたりなら、ある程度たるんでいる。そこを無意識で、とっさの戦術的な判断として実行できるが南野なのである。
ザックにも期待されていた男。
南野は2014年ブラジルW杯前にも、当時のアルベルト・ザッケローニ監督がメンバー候補として考えるなど、潜在能力は早くから期待されてきた。ファーストタッチでディフェンダーから届きづらく、なおかつシュートに持っていけるポイントにボールを置く技術は、日本人のなかでもトップクラスだ。今回の代表合流直前のアドミラ・ヴァッカー戦でもそのプレーを見せている。間違いなく力はある。
だからこそ、代表の青いユニフォームを身にまとった時に、その能力を証明していかないといけない。20歳だったあの頃と違い、もう中堅に差しかかる年齢なのだ。
これからは代表を背負っていく立場にならないといけないのではないか。そう問われた南野は、力を込めた。
「もちろん、ここにいる全員がそういう気持ちを持って日本に来ていると思います。特に僕らの世代が前のW杯に出た人たちを脅かすじゃないですけど、そういう選手になっていかないといけないと思う。もちろん、そういう気持ちを僕は持っています」