プロ野球PRESSBACK NUMBER
西武で大阪桐蔭出身の“4番目”。
中村、浅村、森、そして岡田雅利。
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byKyodo News
posted2018/08/09 11:00
派手なプレースタイルではないが、10年ぶりの優勝を目指すチームで岡田雅利は必要不可欠な存在となっている。
主役に囲まれての「気配り」も。
10年ぶりの優勝を目指すライオンズにとって、残り50試合を切ったこれからのゲームが、まさに正念場となる。
「キャッチャーとして、試合の途中から出場することも当然、多くなります。大事な場面での交代や、逆に、点差が開いた場面での交代もあると思います。どちらにしても、ピッチャーとコミュニケーションを取ることがいちばん大事だと思っています。そして、ベンチ入りをしているいち選手として、投手がマウンドからベンチに帰ってきたときに、必ず何かしら言葉をかけようと心掛けています」
ときにはノックアウトされた投手にも、遠慮せずに自分からズカズカと歩み寄る。
「打たれたのはどんなボールだったのか、もし自分が違うと思ったら『こういうボールでもよかったんじゃないか』と意見をします。そうやって話を聞いていかないと、そのピッチャーがどんなことを感じているのかわからないし、自分がいざマスクをかぶったときに配球できないからです」
こうした一見、小さなことに見えるが、チームにとっては大切な積み重ねが、途中出場でのプレーに生きてくると話す。
連敗中は沈んだベンチのムードを盛り上げ、勝ったときには全身で喜びを表す。サヨナラ勝利を収めた試合では、貢献した選手に浴びせられる水を、岡田も一緒に浴びてはしゃぐ。
「周りの選手からイジられるのは大丈夫。そういうキャラやし、それでチームの雰囲気がよくなるならそれでいいんです。そういう性格は、そういえば高校時代から変わっていないですね」
主役級のスラッガーに囲まれた「気配りの人」にスポットライトが当たる日も訪れるはずだ。