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長期休場を乗り越え、復活を!
宇良を支える師匠の「気遣い」。

posted2018/07/10 11:15

 
長期休場を乗り越え、復活を!宇良を支える師匠の「気遣い」。<Number Web> photograph by Kyodo News

昨年秋場所2日目の貴景勝戦で負傷し、車椅子で運ばれる宇良。また雄姿が見たい。

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佐藤祥子

佐藤祥子Shoko Sato

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Kyodo News

 8場所連続休場を決めた稀勢の里が、まさに剣ヶ峰の“突端”に立たされた。

 場所前の出稽古では、白鵬と胸を合わせるまでに至ってはいたものの、調整不足もあり、今場所も出場を回避。貴乃花の7場所連続休場を上回る“不名誉記録”を更新することとなってしまった。

 進退問題が注目されるが、これもまた来場所以降に持ち越される。場所後の夏巡業での稽古で相撲勘を取り戻し、9月秋場所での復活が切望される32歳の「日下開山」。その剣ヶ峰からは、どんな景色が見えるのだろうか。

長期休場は「徹底的に治させる」方針ゆえ。

 また、元大関の照ノ富士は、6月に両脚の手術をし、この名古屋場所は休場中だ。

 昨年11月の九州場所で関脇に陥落した照ノ富士だったが、膝の故障や糖尿病に苦しみ、十両の地位で土俵に上がった先の5月夏場所では、0勝9敗6休。今場所は幕下まで番付を落としている。

 優勝経験のある大関が幕下まで降下するのは異例のことだが、現在26歳の元大関は現役続行を表明している。

 同じ一門で先輩大関でもあった元魁皇、浅香山親方は言う。

「2年前の巡業で、途中休場して東京に戻ると聞いた時、『早いうちに、ちゃんと治せよ』と話したんだけどね……。う~ん、ちょっと遅いよなぁ。引退を最終的に決めるのは本人だけど、まだ相撲を取りたい、やりきってない、まだイケる――という思いもあるんでしょう。今、力士寿命が延びているし、30歳過ぎてから力が出る例も多いからね」

 一時はケガで幕下まで番付を落とすも、30歳で大関に昇進した栃ノ心をはじめ、現在、幕内の土俵で活躍する妙義龍や竜電など、ケガから復活した例も多々ある。いずれも「徹底的に治させる」という師匠の方針もあり、長期休場による番付降下を覚悟して“雌伏の時”を堪え忍んだ結果だ。

 一時的に番付を落としても、焦ることなく心を折らず、ケガさえ治れば元の地位――否、それ以上を狙えるという好例でもある。

 それは、ケガに苦しむ後輩力士たちにとって、「光明」をもたらしている。

【次ページ】 気になる……長期休場する人気力士の動向。

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