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W杯直前に間に合った価値ある勝利。
本番でも香川、岡崎、乾を揃えては?

posted2018/06/13 11:40

 
W杯直前に間に合った価値ある勝利。本番でも香川、岡崎、乾を揃えては?<Number Web> photograph by Getty Images

香川真司にとって代表でのベストゲームとも言える試合だった。コーチングの声も響き渡り、存在感が際立っていた。

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戸塚啓

戸塚啓Kei Totsuka

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 さて、どうなるだろうか。

 ロシアW杯前最後のテストマッチで、日本代表が価値ある一歩を踏み出した。6月12日に行われたパラグアイ戦で、4-2の勝利をつかんだのである。

 W杯に出場しないパラグアイとこのタイミングで対戦したのは、グループリーグ初戦で激突するコロンビアを想定したものであり、結果も求めたいからだった。ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督のもとで決まっていたマッチメイクだが、勝って勢いをつけたいのは西野朗監督になっても変わらない。

 監督交代後はガーナ、スイスに連敗していただけに、この試合が持つ意味はむしろ大きくなっていた。

 今月ヨーロッパ入りしてすぐに、西野監督はスイス戦とパラグアイ戦で23人全員をピッチに立たせると明言した。

 就任からわずか3試合でW杯に挑むことを考えれば、固定したメンバーで戦ったほうがチームは成熟していくはずである。ましてやスイス戦が内容的にも物足りない敗戦に終わったのだから、方針を転換しても批判を受けることはなかっただろう。

 しかし、63歳の指揮官はチーム作りのプランを崩さなかった。このタイミングでバックアップメンバーを起用しておくことで、23人のゲーム勘やゲーム体力をできるだけ近づけたいとの狙いがあったからだった。

前線で披露された見事な連係。

 果たして、西野監督指揮下で初めてスタメンに名を連ねた選手が前半からアピールする。とりわけ目を引いたのが前線だ。

 4-2-3-1のシステムで1トップに入った岡崎慎司、トップ下で起用された香川真司は、ディフェンスの局面で横並びの関係を作り、前線からのチェイシングで相手の攻撃に規制を加えていった。2列目左サイドの乾貴士と右サイドの武藤嘉紀も、彼ら2人に連動していく。

 前線から規制を加えていければ、ダブルボランチの山口蛍と柴崎岳もポジショニングに迷うことはない。最終ラインも押し上げることができる。全体がコンパクトな陣形を保つことで、守備からリズムを作ることができていった。

【次ページ】 ピッチ幅を使っての理想的な得点。

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