“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
柴崎岳が語る10代からW杯選出まで。
「理想的ではないけど最悪でもない」
text by

安藤隆人Takahito Ando
photograph byAsami Enomoto
posted2018/06/04 08:00

A代表への初選出は2012年2月。代表デビューは2014年8月。果たして、W杯本番ではどんなプレーを見せてくれるのか……。
「『世界のスタンダード』が日常になるように」
前指揮官の言葉に突き動かされてきた柴崎は、スペインの地で明確な道筋を見つけることができた。
「世界の主要リーグでのスピードに慣れることこそが成長みたいな部分もあるので……そこが、W杯を戦う上では僕自身のアドバンテージになると思います。日本でやっていたときのプレーではW杯(を戦う上)でどうかなと言う部分も正直ありますし、さっきも言った通り『世界のスタンダード』が日常になるようにスペインに渡りましたから。
スペインに渡った当初はちょっとね、(日本とは)ちょっと違うレベルにいるなと、2部リーグのときから感じていました。そして1年半プレーして、それがやっと僕の中で『日常』になったということです」
サッカー選手において26歳は若くない。
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代表合宿中の5月28日に、26回目の誕生日を迎えた。その心境を聞かれると、柴崎はこう答えた。
「あんまり変わらないですけどね。もう26かという感じでしたね(笑)。高校卒業して8年ですか……。プロに入ってから時が流れるのは凄く早いなと感じていますし、もしかしたら引退するまでこういった気持ちになるかもしれないので、悔いのないようにサッカー人生を歩んでいきたいなとは思っています。
まずは26歳をいい歳にできるように、W杯というものがあるので、本当にいい結果を残したいですね」
サッカー選手において26歳は決して若くはない。中堅からベテランに差し掛かっていく年齢であるからこそ、この年齢でのキャリア初となるW杯はとてつもなく大きな意味を持つ。
総決算のW杯ではなく、これからプロサッカー選手として新たな章を築くための布石となる大舞台。そうやって考えてみると、もしかすると柴崎岳はようやく「年相応」になってきたのかもしれない。