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<勝負の準備はできている>原口元気「闘争本能研ぎ澄ませて」
text by

ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byMiki Sano
posted2018/06/04 15:00

その決断にはフットボーラーとしての本能を呼び起こすための熱さと、現状の自分に必要なことを見極める冷静さが共存していた。
今年の元旦のこと。日本での短いウインターブレイクを終え、ドイツへと戻る前の成田空港で、原口元気は力を込めて話した。
「2018年にW杯があるというのは、年を越してみて、やはり、強く感じるものもあります。より一層、大事な1年になるなとは思っているので。もちろん、成長しなきゃいけない部分はあるんですけど、ここまで来るとコンディションがすごく大事になってくる。一番良い準備ができるところへ行くと思いますし、それがヘルタなのかどうかは、1月いっぱいまで見なきゃいけないし。ただ、すべてはW杯のために決断したいなと思います」
W杯がいかに自分にとって大切なのか。4年前から肉体改造を始めたのも、ロシアW杯を睨んでのことだった。W杯で活躍したいという想いは、これまでも何度も吐露してきている。
実際に、ロシアW杯最終予選の序盤で、チームが苦しい時期にも彼はこんな想いを口にしていた。
「W杯に出たくて、そのためにチームを助けたい。その想いが、自分を動かしてくれる。目の前の相手に負けたくない、コイツに勝てばチャンスになるんだ、ってね。
本当にね、W杯に出たいという、『超シンプルな』気持ちだけなんだよ」
そんな目標とする大会を前に、1月23日にブンデスリーガ1部のヘルタ・ベルリンから、2部のフォルトゥナ・デュッセルドルフへレンタル移籍した。後にその理由をこう明かしている。
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