オリンピックへの道BACK NUMBER
ドーピング問題でクリーンだった日本。
近年、違反者が増えている背景は……。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byKyodo News
posted2018/06/03 17:00
ドーピング陽性反応を示し、会見に臨んだ古賀淳也。2020年東京五輪を前に、対策の徹底が求められる。
引退後の人生を守るためにも。
例えば、レスリングの選手の場合、当初下された2年の資格停止処分の取り消しを求めた結果、5月になって、4カ月短縮されることになった。それでも1年8カ月という長期間である。フェンシング女子の選手は1年3カ月の処分を受けている。
違反者が相次いではいるが、ドーピング問題においては、今なお、日本は圧倒的にクリーンな国であると言ってよい。各競技における海外の選手の事例を目にすると、そう感じる。
その点は踏まえた上で、慎重に慎重を重ねる姿勢が選手に求められ、競技団体や指導者にも、より一層、選手に正確な知識を伝える必要性が高まっているのが現状である。
競技生活に限らず、引退後の人生を守るためにも、「うっかり」が許されないことは、深く理解される必要があるだろう。誰よりもダメージを受けるのは選手本人なのだから。