太田雄貴のEnjoy FencingBACK NUMBER
“ニコ超”出展、試合をグローブ座で。
フェンシングのチャレンジは続く。
posted2018/06/08 07:00
text by
太田雄貴Yuki Ota
photograph by
JAPAN FENCING FEDERATION
5月上旬、私はフランス南部、人口26万人足らずの街、モンペリエを訪れました。
この地でバイシクルモトクロス(BMX)やパルクール、スケートボードなどのアーバンスポーツの祭典、FISE(エクストリームスポーツ国際フェスティバル)が開催されていたからです。
実は私は、今年1月に設立された日本アーバンスポーツ支援協議会の副会長も務めています。オリンピックでも、スポーツクライミング(ボルダリング)やスケートボードなど、アーバンスポーツが正式種目となってきている今、2020年の成功のためにも、こういったスポーツを盛り上げていきたいと考え、お手伝いをしているのです。
4月には同協議会などが主催して、広島の市民球場跡地で日本初のFISEを行いました。開催3日間、うち1日は雨天で中止となったものの、のべ8万6000人の観客に、トップ選手たちのスーパープレーを間近で観ていただくことができました。
それぞれの競技単体では集客が難しくても、こういった形でなら、多くの人の目に触れることができる。フェス形式のスポーツイベントに大きな可能性があることを改めて感じたイベントでした。
ゆるさを許容して観客が大会を楽しむ。
そして、FISE発祥の地でもあるモンペリエの熱狂は、広島のそれを大きく上回るものでした。
5月10日の祝日には、なんと16万8000人の観客が訪れています。入場は無料、大会運営費などはスポンサーによって賄われていることもありますが、街中がFISEで賑わっている、そんな状況です。
正直にいえば、大会の運営はかなり適当でゆるく、予定通りに競技が開始されないこともありましたし、連携がうまくとれず、ある競技団体とFISEの事務局がもめていたり、トラブルもさまざまあったようです。日本ならきっと、テレビなどの放映時間などにも関わってきますから、もっとキッチリやらないと問題になってくると思います。
ただ、そのゆるさを観客のみなさんが許容した上で、個々人が、横並びではなく、それぞれに自立して、好きなように楽しんでいました。