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母親に叱られるほど気弱な青年監督。
サウスゲイトはW杯で母国再建なるか。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2018/05/26 09:00

母親に叱られるほど気弱な青年監督。サウスゲイトはW杯で母国再建なるか。<Number Web> photograph by Getty Images

ここ近年国際大会で力を発揮できないイングランド。サウスゲイト監督のもと、新世代が躍動できるか。

モダンな「8番」ロフタス・チーク。

 一方、MFで選ばれた22歳のルーベン・ロフタス・チークは、攻守ともに精力的で、フィジカル、スタミナ、テクニック、さらには攻撃センスを併せ持つモダンな「8番」だ。

 チェルシーからレンタル移籍中のクリスタルパレスで才能の片鱗を窺わせ、代表デビュー戦となった昨年11月のドイツ戦で出色の出来を見せたばかり。サウスゲイトは、W杯のピッチにインパクトをもたらし得る若い力と位置付けているに違いない。

 欧州予選の正GKハートを抑えてメンバー入りしたニック・ポープは、代表経験のない第3GKだ。しかし所属先のバーンリーでは、正GKの怪我で手にしたチャンスを掴んでヨーロッパリーグ出場権獲得に貢献している。5年前まではセミプロ・リーグが主戦場だった26歳の新鋭は、名よりも実を取る指揮官のスタンスを窺わせる。

 右SBのトレント・アレクサンダー・アーノルドも、「代表キャップ0組」の1人。今季リバプールで台頭した19歳は、今年3月の親善試合で試された右SBカイル・ウォーカーのCB起用を継続するうえで有効な新顔ということになる。

「守高攻低」が強くなる懸念もあるが。

 選外となった選手や最終ラインを見ると、懸念点はある。起死回生のセーブでチームを救う能力に関しては、メンバーから漏れたハートの方が、正GK抜擢が濃厚なジョーダン・ピックフォードよりも上だと思われる。

 3バックの中央も、ボールを持てるCBジョン・ストーンズには守備面のリスクが伴う。トッテナムでレギュラーを張り、パス能力も備えたエリック・ダイアーを最後尾で起用する手はある。だが、チェルシーでベンチが増えたCBギャリー・ケーヒルのメンバー入りが、ダイアーのボランチ起用を示唆している。

 となれば、サウスゲイトにとってのリベロは、やはりストーンズである。一方、ダイアーがジョーダン・ヘンダーソンと並ぶダブルボランチの場合、「守高攻低」感が強くなるのも懸念点か。そこを踏まえてもW杯本番で、サウスゲイトには「強気」を貫いてほしいものだ。

【次ページ】 ベスト8は現実的な目標として。

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