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母親に叱られるほど気弱な青年監督。
サウスゲイトはW杯で母国再建なるか。 

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山中忍

山中忍Shinobu Yamanaka

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posted2018/05/26 09:00

母親に叱られるほど気弱な青年監督。サウスゲイトはW杯で母国再建なるか。<Number Web> photograph by Getty Images

ここ近年国際大会で力を発揮できないイングランド。サウスゲイト監督のもと、新世代が躍動できるか。

ケインは同国史上最年少のW杯主将に。

 47歳の指揮官がチーム作りに見せる信念の強さは、サム・アラダイス(現在63歳)、ロイ・ホジソン(同70歳)、ファビオ・カペッロ(同71歳)ら近年のベテラン前任者に勝るとも劣らない。これほどまでに監督の色が打ち出された代表は、'98年W杯でポール・ガスコインを外して、ポール・スコールズを攻撃のキーマンに据えたグレン・ホドル体制以来だろう。

 5月16日に発表されたロシアW杯に臨むメンバーの平均年齢は26歳。その23名には、代表キャップ数10以下の選手が9名含まれる。

 キャプテンは、キャップ数23のハリー・ケイン(トッテナム)。24歳のストライカーは、'66年W杯を25歳で迎えたボビー・ムーアよりも若い、母国史上最年少のW杯代表キャプテンだ。

目指すのはシティのようなスタイル。

 サウスゲイトは、「ギャンブル(賭け)ではなくベストメンバーを選んだ」と断言している。プレミアリーグでの国産レギュラーは3割程度ではあるが、復興の過程で「最適」の人選だと理解できる。

 圧倒的な強さで今季プレミア王者となったマンチェスター・シティについて、サウスゲイトは「ボールを支配するだけでなく、相手ゴールに向かう目的意識を持ち、スピーディーでエネルギッシュなサッカーをしていた。あれこそがイングランドのサッカーだ」と評する。だからこそ、代表の将来像に求めるスタイルに適応できる能力の持ち主を優先した。

 結果、最後尾の起点としては足下の技術が心許ないジョー・ハートは、控えGKとしてのロシア行きさえ叶わなかった。W杯での3バック採用を決めた指揮官に“足下不足”を指摘されたクリス・スモーリングは、マンチェスター・ユナイテッドではレギュラーでありながら声が掛からなかった。

 アーセナルの戦力として復活した左利きの天才ジャック・ウィルシャーにも、中盤の創造力として代表復帰を求める意見があった。しかし果敢なプレッシングを含むアグレッシブなイングランドの中盤には不向きと判断された。

【次ページ】 モダンな「8番」ロフタス・チーク。

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