【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
池田純が危惧するプロ野球のあり方。
「ファンサービスが模倣に溢れている」
posted2018/05/01 08:00
text by
池田純Jun Ikeda
photograph by
Yuki Suenaga
2018年度の「Number Sports Business College」(以下、NSBC)が4月より始まり、第1回は中田英寿さん、第2回は皆川賢太郎さんに講師として登場していただきました。
NSBCは、ありきたりな“先生”による一方通行の講義形式ではありません。講師の話を聞くだけでなく、受講者のみなさんからの発言や質問を重要視しています。
各界の第一人者、最先端を走る方々が講師として登壇されていますが、受講者の質問を受け止め、真摯に回答していただいています。受講者は“最先端かつオンリーワンの実践者”の真髄を濃密に知ることができる。
私は、このカレッジの受講生の中から、過去や既成概念に囚われず、大胆なアイデアで世の中に感動を生み出せる人材を1人でも多く輩出することを目指しています。競技の枠を超え、自分の情熱を注ぎ込む広義の「スポーツビジネス」を創出できる人材になってほしい、そう願っていますし、そのための様々なカリキュラムを準備しています。
今のプロ野球シーン、「模倣」だらけ?
私がただの座学を良しとしないのは、受講者には他人のアイデアや過去の成功事例を真似るだけの人間になってもらいたくないからです。
知識を得るなら本を読めばいい。自分の疑問や意見を思いきって、最先端を走る講師たちにぶつけてもらうことで、全員に楽しんでもらい、会場に化学反応が起き、より深く得られるものがあると思っています。
成功事例の表面だけを真似るという意味では、現在のプロ野球のシーンも、実は「模倣」の踊り場にいるような疑問を覚えることがあります。
横浜DeNAベイスターズは現在、人気があります。でも、その人気は、プロスポーツなら当たり前のことですが、チームが強くなったことに起因しています。
高田繁GMとスカウトが発掘した選手たちが成長し、個々の力が蓄積され、勝てる状態が続いているから。
一方、強さ「+α」の部分であるエンターテインメントや経営の部分は、私がいた時代とさほど変わっていないように感じています。