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イタリア代表と“耽美主義”の血筋。
異端者ゼーマンの弟子に託す復活。

posted2018/03/28 10:30

 
イタリア代表と“耽美主義”の血筋。異端者ゼーマンの弟子に託す復活。<Number Web> photograph by Getty Images

ディビアージョ暫定監督(前列中央左)のもとでアズーリは再出発の時を迎えている。

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手嶋真彦

手嶋真彦Masahiko Tejima

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 汚名を着せられた前代表監督を、擁護する意図もあったのか。イタリア代表のマルコ・ベッラッティが、こんな発言を残している。

「ベントゥーラが持っていたのは(高度に)戦術的なビジョンだった。クラブチームであればうまくいったとしても、時間が限られた代表チームでは戦術的な概念を(しっかり)落とし込むのが難しい。時折、ボールを持った局面で、(ピッチ上の)全員が混乱した。たしかに組織は重要だが、代表チームでは戦術がすべてではない。

 ベントゥーラには敬意を持っている。どこかゼーマンのようでもある。しかし、仮にゼーマンが代表監督になったとしても、その(豊かな)アイデアを代表チームの限られた時間で理解させるのは難しい」(2018年3月19日『ガゼッタ・デッロ・スポルト』電子版より。カッコ内は筆者が補足)

 W杯出場権を60年ぶりに逃したイタリア代表で、A級戦犯として吊るし上げられたのがジャンピエロ・ベントゥーラだ。その指揮官の下で司令塔を担ったベッラッティのこの発言は、代表監督ならではの難しさを示すものでもあるだろう。

 瞬時の的確な判断が連続して求められるサッカーで「ピッチ上の全員が混乱」してしまえば、どうなるか。イタリア代表の予選敗退は、あるいは必然だったのかもしれない。解任されたベントゥーラの在任期間は、2016年7月~2017年11月までの1年4カ月ほどだった。

アズーリが採用した“隠れユニット”。

 4年後の2022年W杯に向けて、一足先にリスタートしたイタリア代表は、この教訓をどう生かすべきなのか。代表の連係不足を補う常套手段が、日頃からクラブで一緒にプレーするユニットの活用だ。

 イタリア代表は予選敗退後の初戦となった3月23日のアルゼンチン戦に4-3-3システムで臨み、中盤から前には「CFのチロ・インモービレ+右インサイドハーフのマルコ・パローロ」と「左ウイングのロレンツォ・インシーニェ+中盤の底のジョルジーニョ」というラツィオとナポリのユニットを配置しただけでなく、“隠れユニット”も組み込んでいた。

「インモービレ+インシーニェ+左インサイドハーフのベッラッティ」がそれである。

【次ページ】 ゼーマンに師事し、脚光を浴びた3人。

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