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W杯イヤーのJ1優勝監督に珍法則。
該当チームは11個、戦力的には……。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2018/02/22 17:30
風間サッカーは時間がかかるといわれたが、就任1年目でJ2から昇格した名古屋グランパス。
名古屋の風間監督もJ1復帰1年目。
'14年の長谷川監督と同じ立場として、名古屋グランパスの風間八宏監督をあげておきたい。就任1年目をJ2で戦い、2年目にJ1へ復帰してきたのはもちろん、それ以前のチームでタイトルをつかめなかったのもふたりの共通点だ。
ガンバの監督を引き受ける前に、長谷川監督は清水エスパルスを6年率いた。名古屋の風間監督は、前職の川崎Fで5年過ごした。どちらもタイトルへ近づく瞬間はあったにもかかわらず、無冠のままチームを移った。
J1復帰1年目の名古屋には、元代表FWジョーを含む4人のブラジル人選手が在籍する。さらに、オーストラリア代表クラスのGKランゲラックも加入した。
ジョーやランゲラックは、勝点を運んでくる能力を秘めている。一方で彼らには、来日1年目の未知数さもある。
そもそも名古屋には、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督のもとでプレーする日本代表選手がいない。優勝争いに加わるのは簡単でないが、かねて評価の高い風間監督が内容と結果を両立させるかどうかは、それだけで興味深いものである。
彼らが本当に優勝するかと言われると……。
ここであげた4チームに、著しい戦力の不足はない。しかし、優勝候補にあげるにはいまひとつ物足りなさがある。「これは」というチームというあいまいな表現にしたのも、何というかパンチに欠けるのが引っかかるからだ。
それも当然だろう。W杯イヤーのシーズンと優勝監督の在任年数に、はっきりとした関連性があるわけではない。都合のいい解釈と言われればそれまでだが、そういった曖昧さも許容されるのが予想というものだ。予想を目にした各チームの監督と選手が発奮してくれることが、実は何よりの狙いだったりするのである。