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W杯イヤーのJ1優勝監督に珍法則。
該当チームは11個、戦力的には……。
posted2018/02/22 17:30
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
J.LEAGUE PHOTOS
2018年のJ1リーグを制するのは?
元日本代表の評論家でも、サッカー担当の記者でも、熱心なJリーグウォッチャーでも、答えは似たようなものだろう。昨季優勝の川崎フロンターレ、そのフロンターレをスーパーカップで破ったセレッソ大阪、勝者のメンタリティを持つ鹿島アントラーズといったクラブが、優勝予想の上位を占めるはずである。
ACLを戦わない浦和レッズやガンバ大阪も、保有戦力や実績を評価されている気がする。
それはまあ、そのとおりなのだろう。だが、あまりに予想どおりでは居心地が悪い。2018年シーズンの優勝争いに影響を及ぼすジンクスなりデータはないものか──。
ないことは、ない。
W杯イヤーに開催された過去5度のJ1リーグには、ちょっとした共通点がある。
日本代表が初めてW杯に出場した1998年のJ1リーグで、年間王者に輝いたのは鹿島である。チームを率いていたのは、同年8月に就任したゼ・マリオだった。セカンドステージから采配を揮ったこのブラジル人は、ファーストステージ5位のチームをステージ優勝へと導き、ジュビロ磐田とのチャンピオンシップも勝ち抜いた。
日韓W杯イヤーの2002年のJ1リーグは、ジュビロ磐田がファースト・セカンド両ステージを制して完全優勝を成し遂げた。監督は就任3年目の鈴木政一だった。
'06年にクラブ初のJ1制覇を果たした浦和レッズの監督は、ドイツ人のギド・ブッフバルトである。クラブのOBである彼もまた、鈴木と同じく就任3年目だった。
J1で1年目か3年目の監督、という共通点。
南アフリカW杯が開催された'10年のJ1リーグは、名古屋グランパスが初優勝を飾った。チームの先頭に立っていたのは、'08年に監督となったドラガン・ストイコビッチだ。“ピクシー”が古巣に初のリーグタイトルをもたらしたのも、就任3年目だったのである。
'14年のリーグ覇者ガンバ大阪は、就任2年目の長谷川健太監督が統べるチームだった。ただ、'13年はJ2リーグで戦っており、J1での采配は1年目だった。
W杯イヤーに優勝するチームは、J1で1年目か3年目の監督に率いられている──。
2018年のJ1でこのデータに当てはまるのは、コンサドーレ札幌、柏レイソル、FC東京、横浜F・マリノス、湘南ベルマーレ、清水エスパルス、名古屋グランパス、ガンバ大阪、サンフレッチェ広島、サガン鳥栖、V・ファーレン長崎の11チームになる。湘南の曹貴裁監督は就任7年目、長崎の高木琢也監督は同6年目だが、どちらも昨年はJ2を戦っている。J1では1年目ということにした。