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W杯イヤーのJ1優勝監督に珍法則。
該当チームは11個、戦力的には……。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2018/02/22 17:30
風間サッカーは時間がかかるといわれたが、就任1年目でJ2から昇格した名古屋グランパス。
可能性がありそうなチームを探してみると。
川崎Fも、C大阪も、浦和も、含まれていない。それでも、この11チームから「これは」というチームを見つけることはできる。
たとえば、柏レイソルである。
'16年シーズンの開幕直後からチームの先頭に立つ下平隆宏監督は、'16年は8位、'17年は4位と右肩上がりに順位を上げてきた。ACL出場を見据えたオフの補強によって、昨年と同じかそれ以上の成績を狙える戦力は揃っている。
就任1年目のレヴィー・クルピ監督が統べるガンバ大阪が、覇権争いに絡んでもおかしくない。
今オフには井手口陽介がヨーロッパへ旅立ち、補強も控え目だった。ただ、長谷川監督のもとでタイトルをつかんだ'14年の例もある。ブラジルW杯開催前のリーグ戦で大きく出遅れながら、中断期間中に獲得したパトリックが攻撃の軸となり、ケガが回復した宇佐美貴史の復調も重なって混戦のリーグを制したのだった。
今年のJ1リーグも、ロシアW杯開催に伴う中断がある。シーズン序盤の戦いで足りないパーツがはっきりすれば、クルピ監督は動くだろう。シーズン途中の補強の重要性は、フロントも理解しているはずだ。
その長谷川健太監督はFC東京1年目。
昨年までガンバを率いていた長谷川監督は、今年からFC東京の指揮官となった。日本代表や年代別代表の経験者がメンバーの大多数を占めるこのチームは、いつ優勝してもおかしくない。その「いつ」がなかなか訪れないのが悩みだが、今年はこれまでとは違うかもしれない。
というのも、「多摩川クラシコ」を争う川崎Fが'17年にリーグ優勝をつかみ、セレッソ大阪がルヴァンカップを制した。FC東京と同じように「いつタイトルを獲ってもおかしくなかった」2チームが、初のメジャータイトルをつかんだのだ。
赤と青のユニフォームを着る選手たちが、「次こそは自分たちが」との意欲を新たにしないはずはない。長谷川監督にとっては絶妙のタイミングであり、ガンバに5年ぶりのタイトルをもたらした'14年の再現を狙っているはずだ。