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選手村の中はどうなっているのか。
伊藤華英が感じた五輪特有の空気。
text by
伊藤華英Hanae Ito
photograph byHanae Ito
posted2018/02/11 08:00
伊藤華英さんにとっては、選手として2度、そして今回で東京五輪の組織委員として3度目となる選手村だ。
ボランティアの青年は「素晴らしい経験」。
そこのトレーニング場で働く、1人のボランティアの青年に話を聞いた。
カン・ドヒュンさん、21歳。韓国で5本の指に入るソンギュンガン大学の学生だという。受験は相当大変なはずだが、スポーツもスキーをやるという。日本の秋田にも訪れたことがあるそうだ。
「ボランティアとしてオリンピックに参加できることを誇りに思う。アスリートを近くでサポートできることは、自分の人生でとても素晴らしい経験だ」
そう話してくれた。
開催期間の2週間、ずっと選手村で働くという。その間、休日も何日かあるそうだ。6カ月前にボランティアに選ばれ、トレーニングを受け、メールを何通もやり取りして、現在に至るという。
しかし、彼の上司のマネージャーはもっと忙しい。トレーニング場が24時間開いているから、6人のチームで分担して業務を行っているという。
「私は、2020年の東京大会はチケットを買って見にいきたいと思っています。近い国だし、行かないわけにはいかないでしょう」
選手の近くで働くことを誇りに思い、この経験を次に活かす。彼だけじゃない、彼のような、ワークフォースが沢山いることだろう。
スポーツが言語そのものだというように、スポーツが世界を近くしてくれる。
たくさんの人の人生を感じられる。これこそが、オリンピック、パラリンピックなのではないか。
私も未来の自分にこの経験を生かしたいと、心に誓った。
そして、アスリートが満足した結果を出せるように心から祈っている。