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選手村の中はどうなっているのか。
伊藤華英が感じた五輪特有の空気。
text by
伊藤華英Hanae Ito
photograph byHanae Ito
posted2018/02/11 08:00
伊藤華英さんにとっては、選手として2度、そして今回で東京五輪の組織委員として3度目となる選手村だ。
自分が出場した北京やロンドンと比べると。
広い土地、そして人がたくさん集まる光景は、現役時代に寝泊まりした北京やロンドンオリンピックの選手村を思い出さずにはいられなかった。現役の時はホスピタリティの様子にはそこまで興味がなかったが、立場が変わると目に入るポイントも変わる。面白いものだ。
もちろんセキュリティを通る。
英語で話しかけてくれる人もいるし、韓国語で話しかけてくれる人もいる。挨拶もオリンピックの醍醐味。色んな国の人と会える。
中に入ると世界中の国旗が選手を迎えてくれる。その隣には美容室やネイル、花屋、コンビニ、サムスンのブース、選手たちが寝泊まりする部屋のレプリカ、民族衣装や韓国の文化に触れることができる場所もあり、私が出場した頃とあまり変わってはいなかった。
ただ、花屋はたぶん初めてみる光景だ。韓国らしいというか、親しみやすそうな年配の女性たちがいた。緊迫している選手には、少しホッとする空間ではないだろうか。
その先には、メインの24時間開いている食堂だ。
選手にとって食事はとても大事だ。
詳しくは見られなかったので品揃えまでは分からなかったが、多彩な食材がありそうな雰囲気だ。
トレーニング場は24時間稼働中。
選手やスタッフを迎えていたのは、チマチョゴリを着たワークフォース(ボランティアなど)の方々。選手側から、一緒に写真を撮ってほしいと声をかけているシーンも目に入った。
何と言っても、あっという間のオリンピック期間。長期間にわたる努力の成果を発揮しなければならない、というナーバスな状態をサポートしてくれるのが選手村である。
立ち並ぶ建物には各国の旗が吊るされていて、「オリンピックだなー!」と私も思わず口から言葉が溢れた。
選手村の中にはトレーニング場があり、選手たちが24時間トレーニングできる。
私が出場した北京、ロンドンオリンピックにもあった。リラックスしてトレーニングに集中できたのを覚えている。