月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
プチ鹿島が振り返る今年のスポーツ紙。
下世話目線が見抜いたトランプ外交!?
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph byKeiji Ishikawa
posted2017/12/28 17:00
スポーツ新聞の記事センスにかかれば……強面のトランプ大統領も一刀両断である。
在阪スポーツ紙なら「阪神の次期監督」をどう書く?
今回の騒動はスポニチ発であり、貴乃花親方が評論活動をしていたスポニチに告発した可能性が高い。そう考えると「評論活動とスポーツ新聞」に着目しても面白いかも。どの親方がどのスポーツ紙で評論やコラムを持っているか、もしくは持っていたか。それによって情報のソースや書き方に違いもあるかもしれない。
たとえば関西のスポーツ紙はひとたび「阪神の次期監督」報道に火がつくと、自紙に関係の深い評論家の名前を推すことがあるとよく言われる。相撲も野球もそんな俯瞰したスポーツ紙ウオッチをすると見え方がまた一味変わる。
球団と同グループのスポーツ紙の「社説」効果。
さて、スポーツ報知にとって今年は「巨人13連敗」が最大の出来事ではなかったか。
報知は読売系列のスポーツ紙であるから、巨人の負けが込んだりすると提案や叱咤が紙面に出てくる。
今季の13連敗中の印象的な1面はこちら。
「由伸6連敗 打開策クルーズ使え!!」(6月1日)
得点力アップのためにすべきことは何か? 巨人担当キャップの「提言」が載った。それが「クルーズ使え!!」という1面。
すると、その翌日にクルーズが一軍に昇格した。
ここでひとつ、私からの提言をしたい。
一般紙には「社説」という、世の中への提言やお叱りを述べるコーナーがある。世の中全体や森羅万象について小言を言う「社説」は間口が広すぎて何か言ってるようで逆に何も言ってない場合が多い。
しかし、球団と同じグループである場合、そのスポーツ紙での「提言」「お叱り」はそのあと内容が実行される可能性が高い。「クルーズ使え」は報知の社説であったとも言える。
そう考えると一般紙の社説よりスポーツ紙の提言のほうが興味深いしチェックのし甲斐がある。そんな面白さを感じた記事であった。