月刊スポーツ新聞時評BACK NUMBER
プチ鹿島が振り返る今年のスポーツ紙。
下世話目線が見抜いたトランプ外交!?
posted2017/12/28 17:00
text by
プチ鹿島Petit Kashima
photograph by
Keiji Ishikawa
年末なので今年の「月刊スポーツ新聞時評」を振り返りつつ、「2017年思い出の記事」について書きたい。
まずは早春におこなわれた「WBC」。3月17日のデイリースポーツは歴史的な1面だった。
「菅野託した 準決勝先発」
熱烈なトラ党・デイリースポーツが、WBCの準決勝前は宿敵・読売ジャイアンツのエース菅野の写真を1面にし、「託した」と書いたのだ。普段は敵味方に分かれていても国際試合では同じ夢を見る楽しさ。
同じ阪神ネタでいくと、今月12月16日のサンケイスポーツ(関西版)も今後思い出に残りそうな1面。
「ロサリオ マル秘情報」
一体どんな情報が載っているのか。読んでみると、
《阪神の新外国人、ウィリン・ロサリオ内野手(28)=前韓国ハンファ=が早くもマルコス・マテオ(33)、ラファエル・ドリス(29)両投手と“LINE(無料通信アプリ)友”になったことが15日、分かった。》
ロサリオが、マテオとドリスとLINEで友だちになったという。
マル秘情報とは、チーム情報などを事前に徹底取材という意味だった。野球がオフシーズンの今、各スポーツ新聞の切り口は見逃せない。
スポーツ新聞は貴乃花親方に夢中!
サンスポといえば12月12日の1面、
「貴 居留守」
もインパクトがあった。
大相撲・日馬富士の暴行事件。スポーツ新聞はいつのまにか貴乃花親方の動向に夢中になっていたのだが、遂に「居留守」までが1面になった日。
相撲協会の危機管理委員会の幹部が貴乃花部屋を訪れたのだが、貴乃花親方は居留守。
出来事はそれだけだった。
この相撲報道合戦は11月14日から。
「ビール瓶で殴打 日馬 暴行疑惑 貴ノ岩頭蓋骨骨折」(スポーツニッポン11月14日)
この1面からすべてが始まり、騒ぎはまだ続いている。