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東京五輪世代初のA代表も出場ゼロ。
初瀬亮は遠藤保仁の道を歩めるか。 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2017/12/24 07:00

東京五輪世代初のA代表も出場ゼロ。初瀬亮は遠藤保仁の道を歩めるか。<Number Web> photograph by Getty Images

現代表のサイドバックは序列が明確になっている。食い込むのが厳しいとはいえ、初瀬は虎視眈々とチャンスを狙う。

1対1の守備でまだ激しくアプローチできていない。

 初瀬は、その足りないものについて「守備ですね」と認識していた。

 北朝鮮戦に起用された室屋は攻守にバランスが取れた選手だ。その後の2試合で起用された植田は本来はセンターバックだが対人、対空能力が高く、相手のサイド攻撃に蓋をするにはうってつけの選手だ。

 その一方、初瀬はクラブでシーズン前から長谷川健太監督から守備の弱さを指摘され、修正を求められてきた。代表を率いるハリルホジッチ監督はデュエルを求め、堅守速攻に軸足を置いている。それもあって、代表でのトレーニングでも守備について指摘されることが多かった。

「クラブでもそうですけど、自分は守備がウィークやと思います。競り合いで負けたり、1対1の場面で激しくアプローチできていない。自分には速さがないんでガツガツいくしかないんですけど、そこがまだまだ足りていないと思います」

 課題が明確になった一方で、やれることも見えたという。

「攻撃の部分、キック精度とかは負けてないし、守備がレベルアップできれば対等にやれるなって思いましたね。でもA代表って、どんなところなのか、来て肌で感じることができたので、すごくタメになった。まだ自分は若いですし、東京五輪世代で一番最初に呼んでもらったことも自信になりました。今、思うとシーズン中に呼んでもらいたかったですね。シーズン中にこれだけ刺激を受けたら今年はもっと成長できたと思うんで(笑)」

アップ、ダッシュ、食事、どこも手を抜かない。

 初瀬が初代表で吸収したものは、ピッチのことだけではない。ピッチ外、練習での意識など、A代表の選手から学ぶことが非常に多かった。

「たとえばアップで、最後のダッシュとか1つも手を抜かないですし、パス交換も息が上がるぐらい早く動き、素早く回していた。そういう練習はクラブでもやっているし、自分でもやっているつもりだったけど、全然違った。ゲームでバチバチになるのは当然ですけど、アップや練習から激しくやる。“これがA代表なんや”っていうのが分かったし、今までの練習じゃあかんな、そういう意識に変えていかないといけないとほんまに思いました。

 あと、食事もみんな量が多いですし、栄養を考えて摂っていますね。そういう部分も含めていろんなことが吸収できた。試合に出れたらもっとよかったけど、マイナスなことはひとつもなかった」

【次ページ】 「ひとりずつ上の人を食っていくしかない」

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