話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
東京五輪世代初のA代表も出場ゼロ。
初瀬亮は遠藤保仁の道を歩めるか。
posted2017/12/24 07:00
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
Getty Images
韓国に1-4で惨敗し、E-1サッカー選手権優勝を逃した日本。初招集組を始め、多くの選手が代表デビューを果たす中、フィールドプレイヤーでただひとり最後まで出番がなかった選手がいた。
ガンバ大阪の初瀬亮である。
初瀬は、今年U-20W杯に出場した東京五輪世代で、この世代初のA代表招集選手となった。ガンバでは今季、序盤戦でレギュラーに抜擢されたものの、中盤戦にかけて出番を減らした。それでも第30節・浦和戦から再度定位置を確保。そのまま最終戦までスタメンでプレーした。積極的なオーバーラップと精度が高いキックがハリルホジッチ監督から評価され、20歳での初招集となった。
「ここが自分の代表のスタートになる。なんとか爪痕を残したい」
初瀬は、そう意気込み、代表での初キャップを刻むことに胸を躍らせた。
しかし、初戦の北朝鮮戦、右サイドバックは室屋成が入り、つづく中国戦では植田直通が入った。最終戦の韓国戦も植田がスタメンで出場した。この時、フィールドプレイヤーで出場ゼロの選手は初瀬と三竿健斗だけになっていた。
試合は先制したものの逆転され、前半だけで1-3と2点をリードされた。
「後半は点を取るために前の選手を入れていく。これじゃ(自分の出番は)厳しいなって思っていました」
「自分が出たら特徴を活かせる場面があった」
だが、最初に呼ばれたのは三竿だった。
なぜボランチなのか。その意図が分からなかったが、交代枠は残り2枚しかない。点差と時間を考えると、どうポジティブに考えてもサイドバックの出番はないに等しかった。
最後の交代選手である阿部浩之が呼ばれると、初瀬の出場機会は完全に失われた。国内組での最終試験とも言われた大会で、出場時間ゼロに終わった事実を初瀬はベンチで噛みしめていた。
「もう悔しいしかなかったですね。韓国戦、自分が出たら特徴を活かせる場面があったと思いますけど、それでも使ってもらえなかったということは、まだまだ自分に足りないもんがあるからやと思います」