話が終わったらボールを蹴ろうBACK NUMBER
東京五輪世代初のA代表も出場ゼロ。
初瀬亮は遠藤保仁の道を歩めるか。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byGetty Images
posted2017/12/24 07:00
現代表のサイドバックは序列が明確になっている。食い込むのが厳しいとはいえ、初瀬は虎視眈々とチャンスを狙う。
「ひとりずつ上の人を食っていくしかない」
代表の右サイドバック争いではレギュラーの酒井宏樹、さらに酒井高徳もいる。前述した室屋、植田を含めた競争を戦って勝ち抜いていかなければならない。
「みんな、すごい選手ですけど、何が起こるか分からないですからね。サイドバックが故障するとか、そういうアクシデントがないわけじゃない。自分は、ここに呼ばれている以上は目指す先はロシアW杯だと思っているし、来年もチャンスがあると思うんです。ガンバは監督が代わりますけど、キャンプからアピールして開幕から全力でプレーしていきたい。ここで使わなかったことを後悔させるぐらいの活躍したいですね。とにかくここからひとりずつ上の人を食っていくしかない。今、メラメラしているんで、やってやりますよ」
初瀬は、そういって大胆不敵な笑みを浮かべた。
代表招集されたり、W杯メンバーに選ばれても出場機会を得られなかった選手はこれまでも数多い。例えばガンバ勢では、遠藤保仁が2006年ドイツ大会でフィールドプレイヤーとして唯一、出場機会を得られなかった。遠藤は、その悔しさをバネに2010年南アフリカ大会でプレーし、メインキャストになった。
偉大な先輩が歩んできた道程を初瀬も歩めるのか。
出場時間ゼロは、そのスタートになる。