第94回箱根駅伝(2018)BACK NUMBER
「3強」は青学大、神奈川大、東海大だが……。
今季の箱根駅伝は、どの大学も面白い!
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byKyodo News
posted2017/11/09 11:00
全日本で優勝した神奈川大のアンカー・鈴木健吾は、昨季は箱根の2区で区間賞だった。
青学大と神奈川大が有利で東海大が追う。
そして、2年生に実力者を揃える東海大はスピード軍団。トラックのスピードを磨き、日本選手権の1500mで館澤亨次が優勝。その他にも鬼塚翔太、關颯人らスピード自慢の選手たちが揃っている。
「すべての区間が20kmを超える箱根の距離には、ウチの選手全員が対応できるわけではありませんよ」
そう両角速監督は謙遜するが、着実に長距離への対応策を練っている。
距離適性、これまでの競技会の記録を見ると、青学大と神奈川大が有利で、それを東海大が追うという構図が見えてくる。
しかし、今回の箱根駅伝は多くのチームにチャンスがある。全日本大学駅伝のレース直後、東洋大の酒井俊幸監督はこう言っている。
「神奈川大は8人全員が力を出しましたね。ミスがありませんでした。ウチは5区以降はうまく流れませんでしたし、2位の東海大、3位の青学大にしてもミスがあって、見方を変えれば、箱根駅伝はどの学校にもチャンスがあると思います」
各区間賞の選手の大学が、すべて違っていた全日本。
そんな状況を象徴するように、全日本大学駅伝では、区間賞を獲得した8選手の大学がすべて違っていた。どの学校にもエースがいるのだが、穴もあるという状況だ。
こういった時こそ、序盤の1区から3区までの間に流れに乗ることが重要だ。その意味で、そこにエースとなりうる選手がいるかどうかがカギになる。
台湾で行われたユニバーシアードのハーフマラソンで、金メダルを獲得した片西景、銀メダルの工藤有生がいる駒澤大学は、流れをうまく作る可能性がある。
また、東洋大も全日本大学駅伝の1区で区間賞を取った相澤晃、期待のルーキー西山和弥がおり、序盤のスピード区間には十分対応できる力がある。
過去に何度も優勝を飾った両校。4区までの流れが良ければ、山上りの5区の出来によっては3強の間に割って入り、往路優勝も見えてくる。