Jをめぐる冒険BACK NUMBER
結局、鹿島と何が違うのだろうか。
浦和の「勝負強さ」問題はまだ続く。
text by
飯尾篤史Atsushi Iio
photograph byKyodo News
posted2017/09/22 13:00
「力はあるけど勝負弱い」という屈辱的な評価を、浦和レッズは覆すことができるのだろうか。
勝負を分ける神は、日々の細かな意識にこそ宿る。
かつて鹿島の一員として数々のタイトル獲得に貢献した興梠は「それ(鹿島の勝負強さ)は感じたし、その半面、(自分たちの)勝負弱さも感じた。それに尽きます」と振り返った。
鹿島にとっては、2点のリードを守れなかったわけだから、反省点の多い試合だったに違いない。だが、悪くても勝ち切れる強さが、常勝クラブのゆえんでもある。
「浦和が嫌がるところを突けたのはいいことだと思うし、これからも相手の嫌がるプレーを続けたいと思います」と土居は自身に言い聞かせるように、言った。
「勝負の神は、細部に宿る」というのは、日本代表を二度率いた岡田武史監督が好んで使うフレーズだったが、まさに鹿島の勝負強さも、細部を疎かにしない日頃の姿勢によって築き上げられたものなのだろう。
勝負強さと勝負弱さを分けるもの――。それは、戦力の差でも、戦術の違いでもなく、日々の意識、日常のトレーニングに潜んでいる。