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ACL、対照的な川崎と浦和の現状。
準決勝進出へ3週間ですべきこと。
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byAFLO
posted2017/08/27 07:00
攻め続ける川崎、受ける浦和。ここ近年の様相とは違う戦いが、等々力でのACL第1戦では繰り広げられた。
浦和と川崎、準決勝進出への大きなポイントは?
浦和としては、2点ビハインドの状況から準々決勝を勝ちぬくためには、セカンドレグで失点を防げるかが重要なポイントだ。1失点すれば、延長戦を含めて最低でも4得点が必要となる。
川崎と鋭いカウンター攻撃が持ち味の済州では、様々なことが違う。どちらが強いか弱いとかという問題ではなく、ディテールの違いに注力すべきだ。あえて追記すれば、済州とのファーストレグは、システム変更した浦和の戸惑いがひとつの敗因だった。普通にやれば得点ほどの差のある相手ではなかった。
とはいえ浦和の逆転勝利へのカギは、やはり原点回帰だろう。監督交代したとはいえ、選手の顔ぶれが変わらず、連戦続きのスケジュールを考えても今季は大幅なリニューアルは難しい。長年培ったチーム力に立ち返ること、ブレない部分を共通認識として共有できるか? そして、前監督時代に起用機会の少なかった選手たちの試合勘の悪さを川崎戦でも感じた。けが人も多い現状を考えると、ルヴァンカップを利用し、こういう選手たちを積極的な起用が望まれる。
リードした川崎の優位性は小さくない。“大一番に弱い”とされる彼らが自らの殻を破れるのか? その点を唯一の不安点とする論調もあるかもしれない。だからこそ平常心で挑むことが重要になる。冷静すぎず、熱くもなりすぎず。それぞれの選手が自身の任務を全うする……過剰な意識こそがバランスを狂わせる。
「試合に出ている人はもちろん、それ以外の選手もみんなが一丸となっている」
家長が話すチームの現状を3週間後までどう維持できるか?
けが人の復調と同時に、新たな負傷者も出る可能性がある。9月13日に行われるセカンドレグまでの長いインターバルが試合の行方を左右しないとも限らない。