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日本バスケはアルゼンチンに学べ。
技術委員長が語る新監督と強化策。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byAFLO
posted2017/06/25 07:00
八村塁の帰国会見にも出席した東野氏。日本バスケ強化について、独特のアプローチで挑もうとしている。
五輪開催を浮上のきっかけにしないと、嘘ですよ!
――現在の代表の強化と同時に、未来へ向けた強化も進めないといけないのは簡単ではないですが?
「もちろんです。でも、考えてみてください。FIBAに制裁を受け、Bリーグを作ろうとしていたら、五輪の開催国になった。これを浮上のきっかけにしないといけないと、嘘ですよ!」
――東野さんを突き動かすものは何なのでしょう?
「バスケットは、僕にとってはファミリーなんですよ。バスケットを愛しているし、ともに生きている。『スラムダンク』があれだけ多くの人に読まれていて、バスケットボールをゴールに入れたことがある人がたくさんいるのに、どうして、私のファミリーがメジャーじゃないんだろう、強くないんだろうと思っていて。日本のバスケットが強くなかったら嫌ですもん。家族は、大切ですから」
「まだまだサプライズを用意していますよ」
「まだまだサプライズを用意していますよ」と語る東野は、虎視眈々と強化の策を練っている。
アルゼンチン代表は五輪で44年間の空白があった。それをうちやぶるようなタイミングでマヌ・ジノビリ(サンアントニオ・スパーズ)やルイス・スコラ(前ブルックリン・ネッツ)らの黄金世代が現れた。
日本代表は、アメリカNCAAのゴンザガ大で活躍する八村塁を筆頭に若くしてアメリカで活躍する選手が出てきた一方、国内でも23歳の富樫勇樹や21歳の大学生である馬場雄大が日本のバスケット界を変えようと気を吐く。
そして、日本男子が最後に五輪に出たのが1976年。もしも、東京五輪に出られるとしたら、それは44年ぶりの出場となる。
アルゼンチン代表と同じように空白を破るための必然となる改革があった。そう言えるようになるかどうか、東野は大きな責任と期待を背負っているのである。