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辻直人、Bリーグファイナルを今語る。
「引退しなきゃいけないってこと?」

posted2017/06/19 11:40

 
辻直人、Bリーグファイナルを今語る。「引退しなきゃいけないってこと?」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

決勝戦は最後の最後まで勝者がわからない劇的な試合だった。勝ったのは栃木だが、川崎が相手だったからこそ実現したのだ。

text by

辻直人

辻直人Naoto Tsuji

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photograph by

Kiichi Matsumoto

 5月27日、Bリーグ初代王者を決めるBリーグチャンピオンシップファイナルが行われた。相手はレギュラーシーズン東地区1位の栃木ブレックス。栃木はNBL時代の'15-'16シーズン、プレーオフのセミファイナルで戦った相手でもある。その時は僕たち川崎ブレイブサンダースが勝利し、ファイナルに進出した。

 あれから1年。大きな舞台で栃木と再び対戦することとなった。レギュラーシーズンでの対戦成績は1勝1敗の五分だったが、Bリーグ初代王者を決める大舞台ということもあって、お互いに「負けたくない。負けられない」というプライドをかけた戦いとなった。この一戦にかける僕ら選手たち、そしてスタッフの思いや意気込みには、並々ならぬものがあった。

 そして、いよいよ試合開始。第1クォーターは気持ちの面でもプレー面でも、いい感じで入ることができていたと思う。その勢いのまま「ここからさらに上げていこう」「流れを掴んでやろう」と考えていた。しかし、第2クォーターに入ると、僕たちは思うように点を伸ばすことができなかった。

 試合前から栃木のディフェンスが非常に厳しくタイトだというのは理解していたことだし、その上でも自分たちのプレーを出さなければと考えていたのだが……。終わってみれば、79-85というスコアで敗戦。初代王者という称号を手に入れることはできなかった。

試合後にチームを包んだ失望感。

 試合後は大きな失望感に苛まれていた。

 '16-'17シーズン、僕は怪我の影響やリハビリで、シーズンをフルに戦うことができず、チームに迷惑をかけてしまった。その間、チームメイトはそれぞれスキルアップしていて、結果、チーム力の底上げをすることができていたと思う。

 '15-'16シーズンまでは“自分がやらなければ”と前に出ていた場面が多かったが、怪我をしたからというだけではなく、'16-'17シーズンはある程度みんなに任せていた部分があったと思う。それが良い方向に作用することもあれば、逆に悪い方向に作用することもあった。

【次ページ】 1年目の“やりきった”と、今回の情けなさ。

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