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日本バスケはアルゼンチンに学べ。
技術委員長が語る新監督と強化策。
posted2017/06/25 07:00
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
AFLO
今年7月から、バスケットボール日本代表はアルゼンチン人のフリオ・ラマス氏をヘッドコーチに迎えて新たなスタートを切る。同氏は2012年のロンドン五輪でアルゼンチン代表をベスト4に導いた指揮官だ。
一連の交渉にあたってきたのが、日本バスケットボール協会の技術委員長を務める東野智弥だ。2011年に早稲田大の大学院で「男子アルゼンチンバスケットボールの強化・育成に関する研究」という修士論文を書くなど、世界のバスケ事情にも常にアンテナを張ってきた。
そんな彼がアルゼンチン人指揮官を招き入れたのは何故か。現時点では東京五輪の出場権を得られていない日本代表。その強化のために、どんなことを考えているのか。東野の考えるマスタープランを聞いた。
アルゼンチンは国民平均身長が日本と同じくらい。
――アルゼンチンに興味をもったきっかけは?
「日本のバスケットが強くなれば、メジャーになればいいな、と私はずっと思っていたんですね。そんな夢があって、(1996年に)コーチになりました。そして、大学院に通ったときに、Jリーグや他のスポーツを勉強したんですけど、日本のバスケットに応用するためにはしっくりこなかった。そこで興味を持ったのがアルゼンチン。国民の平均身長は同じくらいだったり、日本と似ているところがたくさんあったんです」
――今の日本が学べるところも?
「彼らは1952年のヘルシンキ五輪に出たあと、1996年のアトランタ五輪に出場するまで、44年も五輪から遠ざかっていました。その間の1984年に国内で新リーグができて、2004年のアテネ五輪で金メダル。日本の男子は1976年のモントリオール五輪に出場したのが最後。長く出られていないという共通点もあります。
アルゼンチンが五輪金メダルをとるまでに、何があったのかに興味を持ったわけですが、どの文献を調べても、しっくりくる答えがなかった。ですので、気になり始めた10日後にはアルゼンチンに飛びました。特にアポイントがあったわけではないんですが」